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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話
官能リレー小説 - ショタ

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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話 30

「お肉が食べたい。ステーキがいいな…」

ある日唐突に涼真くんが夕食後にポツリと呟いた。
食卓に肉料理がまったくないわけではない。ただステーキに使えるようなお肉がこの地区では手に入れにくいのである。
まして商店街の肉屋さんは店主夫妻が体調が悪く休業中。

そこで雪と視線を合わす。
大学生の頃、2人で一緒にバイトしていたステーキ専門レストラン。
店主は元アメリカ軍の兵士の方で、家族経営。とてもよくしてもらったいい人たちだ。
雪がメールして近況を伝える中で何かお願いしよう…となった。

もう前の会社や元友人知人達とは関わりあいたくないが、あのステーキハウスの店主ジョンソンさんなら心配無い。
何故なら彼は店を畳んでアメリカに帰っているからだ。
しかも、帰った理由は日本で和牛に触れて、負けないぐらいの肉を生産したくなったからと言うもの。
なので今は牧場経営をしているらしいのだ。

そんなジョンソンさんにメールしてみると、すぐに返事が来た。
そう言う事なら肉送るから感想が欲しいと牧場やら家族の写真を添えて来た返信。
ジョンソンさんは相変わらず良い人だった。


そして、数日後に届いた。

「えっ?・・・何これ?!」
「確かにお肉だけど・・・」
「何というか、アメリカンね・・・」

届いたのはブロックの牛肉。
10キロ以上はありそうなブロック肉に全員が目を丸くしていた。

雪はやっちまった、なんてバツの悪そうな顔をしてる。優子さん、祥子さん、真由美さんはどうしようかしら?と苦笑いしながら話し合いを始めた。
みっちゃんは彩奈ちゃんと玲奈ちゃんと一緒に肉の塊を見て呆然。涼真くんひとり大喜びという感じだ。

「里の人みんな集めて軽く肉フェスしますか」
「いい案だけど、お爺さんお婆さんがお肉をそこまで好むかどうか…」

それもそうだ。
とりあえず涼真くんのリクエスト通りステーキにして、残った分は何か考えよう。
兎に角分割して減らさないと、カフェの業務用冷蔵庫でも入りきらない量だ。

「フライパンじゃ焼けないわよね・・・」
「そうだ!・・・神社に昔使ってた鉄板があるからそれで焼きましょう!」

肉を見ながら思案していた優子さんに祥子さんが思い出したようにそう言う。
早速見に行ってみると、屋台で使ってるような大きな鉄板が倉庫にあった。
これならステーキでも何でも焼けると言うか、ちょっとしたバーベキューができる。

「まあ、これで肉は焼けるわね」
「うん、頑張って消費しないとね」

私と雪がそう言う横で子供達は大喜び。
少なくともこのメンバーに肉嫌いはいない。

ジュージューといい音で焼きあがるお肉。
滴る肉汁に漂うにくにくしいいい香り。

「こんなおいしいお肉あったんだ!」
祥子さんが驚きの声をあげる。
「凄い!幸せ!」
子供たちも大喜びだ。
ジョンソンさんとこのステーキ、久しぶりだったけど相変わらず美味しい。これで当分困らないな。

それもあってかその日の涼真くんが一段と元気いっぱいだったのは言うまでもない。

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