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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話
官能リレー小説 - ショタ

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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話 21

それは初めて聞いた。
もしかしたら私が結婚を控えていたから黙ってくれていたのかもしれない。

「だから、奏が結婚したら私や美久ちゃんは辞めるつもりだったのよ」
「そうだったんだ・・・ごめんね気付かなくて・・・」

雪や美久ちゃんには済まない事をしたと思う。
でも真由美さんはそんな私にこう言う。

「まあ、恐らく奏のあの事件は私達女子社員に対するみせしめだったと思うわ・・・アイツらは女子社員なんて社内ホステス程度にしか思ってないもの」

まあハメられた感はあった。
問答無用の私へのバッシングは男女共に保身に走った結果だったのかもしれない。

「と言う事で私達も逃げ出してきた訳」
「折角逃避行楽しむなら、奏さんの所に行こうかって!」

意外とあっさりした表情の雪と、どこか楽しそうな美久ちゃん。
彼女達の表情を見てホッとするものがあった。

掃除も忘れ立ち話に没頭していると、カランカランと喫茶店のドアが開く音。
優子さんが顔を見せると、まあと少し驚いた顔で私たちを見た。

「奏さん、その方たちは…」
「会社勤めしてた頃の先輩と、同期と後輩です。皆辞めて、ここにやってきたみたいで」
軽く紹介するとペコリと頭を下げる3人。

「奏の気持ちはよく理解してますし、私たちも同じような境遇でした。せっかくですから、彼女を訪ねたついでではありますけど、私たちも何か協力できたらと」
真由美さんが言うと、優子さんは感極まった表情に。

「まあ……本当にありがとうございます。奏さんも素敵な同僚さんたちを持ってらしたのですね」
「ええ、数少ない、心を許せる人たちです」

私の言葉に優子さんは微笑んでいたのだ。


このカフェで3人の従業員は抱えられない。
それは私も理解していたからどうしようか悩んでいたけど、優子さんから3人分の仕事が用意できると言われた。
1つは私達が毎日お世話になってる銭湯。
銭湯のお婆さんがそろそろ引退したいと言っているみたいなのだ。
そしてもう1つはこの集落唯一の雑貨屋。
ここもお婆さんがやっているのだけど、同じく引退したいみたいだ。
この二軒共、お婆さん達は八十代後半の老齢で、流石に体力的に辛いようだ。
そして残る1つは港。
隠居したいお爺さんが漁船ごとあげてもいいと言う話だそうだ。

その話を聞いて美久ちゃんが雑貨屋に立候補。
元々アルバイトでコンビニとかやっていたからいけそうだと言う理由らしい。
そして真由美さんは港を選んだ。
真由美さん、どうやら船舶の免許持ちで釣りが趣味だから好都合だったようだ。

「なら、私は銭湯ね」

最後に残ったのは雪だが、何だか楽しそうである。

「お風呂好きだしね」
「入る方じゃ無いわよ」
「まあ、細かい事は気にしない」

佇まいがたまにミステリアスな雪だけど、思えば学生時代からこんな奴だったなって思うとちょっと笑えた。

雪が車で来てくれたことで、移動範囲も今まで以上に広がった。
買い出しも隣町まで行けるようになったし、そのついでに給油もできる。
中も広めのミニバンタイプで天気が悪い時には涼真くんたちの送り迎えもできる。
私も真由美さんも美久ちゃんも運転免許は持っているので担当は交代制だ。

余談だが、喫茶店の隣の車庫に亡くなった優子さんの旦那さんのものとみられる古い車があった。
優子さんと祥子さんは運転免許も持っておらず、車は車検が切れてしまったようだ。

「機会があれば動くか調べてみてもいいわ」
「真由美さん、そんな事まで出来るんですか?」
「まあね・・・亡くなった父がどうしても男の子が欲しかったみたいで、アタシに男の子がするような事をさせていたからね」

男子は車が好きと言うのは良く聞く。
確かに真由美さんの趣味は女子と言う感じではないものが多かった。

そんな感じで彼女達の生活も何とかなりそうで一安心。
優子さんが案内する形でそれぞれの仕事場の下見に3人が行くのと入れ替わりに子供達が帰ってきた。

「ただいま、奏さん」

爽やかな涼真くんの笑みに胸がときめいてしまう。
そして自然な動作で私の胸に頬ずりする。

「お帰り・・・今日は涼真くん好みの女の子が来てくれたんだよ」
「おっぱい大きな人?」

そう聞いたのは涼真くんではなく彩奈ちゃんだった。
急激な胸の成長に精神的に不安定だった彼女も、今はかなり落ち着いている。
そしてよくお喋りしてくれるようになった。

「涼真くんの趣味、よく分かってるじゃない」
「涼くんって私のおっぱい小さいって言うぐらいなんだから・・・学年で一番大きいのに」

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