ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 80
「フーンフフーン……」
優花は鼻歌を歌いながら朝食を作る。
「お早う。」
「あ、和己君早いね。」
「あれから寝ると寝坊しちゃうから。」
和己はそう言い、食卓につく。
「はい。今日はクロワッサンとコーンポタージュ。ミルクコーヒー。それから野菜炒めよ。」
優花は和己に朝食を差し出す。
「ありがとう。」
「それとお弁当はそこにあるからバッグに入れてね。」
「うん。」
和己は朝食を食べ、
「行ってきます。」
と家を出た。それとほぼ同じくして娘達が起きてきた。
「あら、お早う。」
「ママおはよ〜。」
朝に強い沙耶は元気に言う。
「おはよ〜。あれ〜ママなんか良い事あった〜?」
永子が訊く。
「そういえばなんだか嬉しそうだね。」
やや眠そうにしながら優奈が言う。
「そう?」
優花はそう応えるが娘達は揃って頷く。
(昨日、パパにお仕置きでもしたのかしら?)
低血圧でまだ体がおきていない愛であったが、その観察力で優花の機嫌が良いわけを推察した。
その日の昼、学食で優奈、沙耶、愛、永子は一緒に昼食を食べる。
「じゃ〜永子は〜カレーにしよ〜。あ、ミニサラダもつけよ〜。」
「私は……クリームパスタにしようかしら。」
「愛は少食だからね。私は今日はヒレステーキ食べちゃおう。」
「優奈お姉ちゃんは〜太んないからね〜。」
「そういう沙耶は?」
「マルゲリータピザと〜トマトとバジルのサラダにしよ〜。」
4人は丸いテーブルを囲んで食事をすることにした。
「ね〜今朝のママって〜なんだか機嫌よかったよね〜。」
沙耶がサラダを食べながら言う。すると優奈も
「私も思った。何か良い事あったんだよ。」
と同調する。
「永子も〜そー思う〜。あ、優奈お姉ちゃん、一切れちょーだい。」
「良いよ。はい。」
優奈はフォークにステーキを一切れ刺し、永子に食べさせる。
「多分……あれは……パパに……お仕置きしたんだと思う……。だからママ……機嫌が良かったんだよ……」
愛が言う。
「だから機嫌が良かったのね……」
優奈はフォークを置いて考え込んでしまう。
「パパに悪いことしちゃったね〜。」
沙耶が言うと
「そ〜だよ〜。沙耶お姉ちゃんが〜パパと寝なかったら〜永子だって〜あんなに〜対抗心燃やさなかったよ〜。」
「永子……沙耶お姉ちゃんだけを……責めちゃだめだよ……」
「いずれにしても、パパに謝らないといけないね。」
優奈が言う。
「今日も〜リムジンには待ってもらって〜、パパと一緒に帰ろ〜。そのときに謝ろ〜。」
沙耶の提案に全員が頷いた。