ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 60
10時、和己は愛と共に出掛けた。
「コースは決めてあるの?」
「午前中は……博物館……午後は……プラネタリウムに……」
「そっか。ちゃんと調べてあるんだね。」
「うん……」
愛はやや顔を赤らめる。
「じゃあエスコートお願いするね。」
和己は愛に全てを任せることにした。
「最初は……あそこ……」
博物館の入館チケットを買う。
「中学生以下は無料です。」
この言葉に一瞬和己は迷った。自分も中学生に思われたように感じたのだ。しかし
「あ、あの……大人一枚…」
と言った。
「これが……実物大の…藍藻の塊なんだね……」
愛は感心したように呟く。
「次はカンブリア爆発だね。」
「好気呼吸の……始まりだね……」
かなり事前に勉強した様で、内容がすんなりと頭に入って居る様子だ。
「ハルキゲニアにアノマロカリス……あれはオパビニアだ……三葉虫も居るね……」
「この時代は今の動物とはかなりちがう生物が多いね。」
「でも……あのピカイアが……脊椎動物の……祖先なんだって……」
「良く知ってるね。」
ゆっくりと歩く二人。
オルドビス紀、シルル紀と時代は下っていく。
「凄いね……ダンクレオステウスって……こんなに大きかったんだ……」
説明書きには
『強靭な顎を武器に、他の生物を捕らえ食べていた。他の生物を捕らえることに優れ、体を大きく進化させた。』
と書いてある。
「シルル紀になると植物の上陸が始まるね。」
「パパ……詳しいね……」
「愛のほうが詳しいんじゃないかな?」
「そうかな?あ……ユーステノプテロンだ……」
「学名を良く覚えてるね。ぼくは肺魚としか覚えてないよ……」
両生類の巨大化、爬虫類の地上進出、恐竜の出現、鳥類の出現、恐竜の巨大化と多様化、恐竜絶滅と哺乳類の進化……
「凄い……地球って……凄いね……」
愛は目を輝かせている。
「そろそろお昼にしようか。」
和己は愛と共に博物館の食堂に入る。
「じゃあ……私ハンバーグオムライスセット……」
「店員さん、ハンバーグオムライスセット二つ。」
「かしこまりました。お飲み物は如何ですか?」
「愛、如何する?」
「ええと……オレンジジュース……」
「じゃあオレンシジュースも二つで。」
食事が運ばれてくる。
「いただきます。」
「……いただきます……」
ナイフとフォークを取った愛だが、なにやら考えて居る様子だ。
「愛?如何したの?」
「……ねえ…パパ……もしかして……沙耶お姉ちゃんの事……好きなの?」
「沙耶だけじゃなくもちろん愛も大好きだよ。優奈も永子も皆好きだよ。」
「じゃあ……なんで沙耶お姉ちゃんだけ……特別なの?」
「え?」
「沙耶お姉ちゃんと……一緒に寝たんでしょ?」
「な……愛……」