ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 40
「……そこに優奈お姉ちゃんが来て……ここに連れてこられたの……」
全てを聞き終えた風花は
「……そう。」
と応える。そしてやや間を置き、
「沙耶、露骨に誘惑は駄目よ。誘惑するなら要所要所で行くのよ。」
と言う。
「……え?」
怒られると思っていた沙耶は一瞬硬直し、思わず聞き返した。
「だから、露骨に誘惑するのはダメなの。」
「……風花お母さん、怒らないの?」
「パパ好きなんでしょう。」
「大好きだよ。」
風花に和己が好きかときかれた沙耶は素直に答える。
「じゃあ、ママがパパを落とす方法を教えてあげるわね。」
「え、どんな事?」
和己を物にする方法と聞き興味深々の沙耶は風花の話を聞いてくる。
「パパもきっと貴方達の事を好きよ。でも、あんまり一気に落とそうとしちゃダメ。適度に甘えるのよ。」
「もっと甘えても良いの?」
沙耶が聞き返すと、
「『適度に』よ。あんまりやりすぎちゃダメ。でも愛ちゃんみたいに消極的なのも問題よ。」
と言う風花。
「う〜ん……」
沙耶は唸る。
「それから甘えつつ優しくするの。」
「え?」
「和己君は結構甘えたがりなのよ。だから優花と結婚したの。だから、ちょっと優しくしたりすると、結構落とせるかも知れないわ。」
一方で和己の部屋。
「パパ、大丈夫?」
優奈が心配そうに言う。
「大丈夫だよ。優奈、ありがとう。」
「ううん。私だってパパが好きだもん。でもあれは酷いと思ったの。」
「でも良く気付いてくれたよ。」
「偶然だよ。おトイレに行って戻ろうとしたら沙耶の声がしたから……」
「あぁ『パパ〜!それってずるいんじゃない?』って言った時か。」
「それで声がする方に行ったら……」
「そっか。でも本当に助かったよ。」
和己は優花の頭を撫でる。
「パパと寝たいの……エッチなことはしないから……」
沙耶との事があっただけにやや控えめに言う優奈。
「うっ……」
和己は優奈の目を見てドキリとしてしまった。
「如何したの?」
「……いや……優花さんに似てきたなと思って……」
「……だって私だけママの本当の娘だもん。」
やや口を尖らせて言う。昼間の事をやや引きずっている様だ。
「……しょうがないな……入って良いよ。」
「ありがと。」
優奈はそう言うとすぐに寝息を立て始め、和己は優奈と共に眠った。