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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜
官能リレー小説 - ショタ

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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 110

「ど〜ぞ。大変でしたね〜。」
永子が豚汁を配って歩く。
「あ……私が……お水お持ちしますので……ここで……お待ちください……」
杖を突いた老人を労わり、声をかける愛。
「こちらへどうぞ。」
「怪我をされている方は〜お申し出くださ〜い。」
邸宅内では優花が人々の誘導、沙耶がけが人の有無を確認していた。
「流石ですね……」
「これが百合宮財閥か……」
炊き出しに集まった人々は豚汁を口にしながら感嘆の声を挙げた。

庶民からすれば、こういう邸宅にどんな家族が住んでいるかは興味を抱くもの、
自分達とは遠い存在のように感じ、
何となく金に汚いとか、ケチとかって思いがちなのだが、

「こんなに優しい方達とは知らなかったな」
時間が経つにつれ避難者が増え、周囲の状態もわかってきた。
「う〜ん……困ったわね……」
香奈が腕組みをして唸りながら言う。
「そうですね。そろそろ収容人数も限界に近づいていますし……」
そこで和己がマイクを取った。
「大変申し訳ありませんが、傷病者を優先として邸宅に収容させていただきます。炊き出しは続行いたします。」
これを聞いて怪我をしていない者、ごく軽症の者は重傷者に場所を譲った。この辺は日本人ならではのすばらしさである。
「昼食の配布は11時45分からとさせていただきます。おにぎりはお一人様1個、おかずはお一人様一品とさせていただきます。」
香奈が放送を流す間、優花の指導の元、優奈、沙耶、愛、永子の4人の娘達が醤油をつけた焼きおにぎりを作っていた。焼いてあればすぐに腐ることも避けられるのである。
愛がおにぎり一個分の量のお米を絶妙のバランスで取り、それを優奈と永子が握る。
「沙耶お姉ちゃ〜ん、永子握れたよ〜。」
「沙耶、私も一つ出来たわ。」
優奈と永子が握ったおにぎりを沙耶が醤油を塗り、網に乗せ、炭火で焼く。
「みんな火の取り扱いには注意してね。」
和己が娘たちに言いながら沢庵を切っていく。
「わかってるよ〜。」
沙耶がおにぎりを焼きながら和己に応える。
「あ、沙耶、結構出来てきたわね。」
トレイを持った優花がやってきた。
「いい感じにできたやつから私がトレイに入れていくわね。」
優花はそう言いながら菜箸をとった。
「これも出してあげようか。」
美雪がかまぼこを持ってくる。
「沢庵かかまぼこか選べるほうが良いかもね。」
和己がそう答えると美雪はかまぼこを切っていく。
「流石美雪さんですね。」
風花が呟く。
「え?」
「だってまるで機械で測ったみたいに正確で均等に、それもすばやく切っていくんですもの。」
「ふふ。ありがと。」
「和己君の沢庵も大きさは正確だけどね。」
「風花さん、ありがとうございます。」
とは言いつつも和己の手はゆっくりである。

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