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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜
官能リレー小説 - ショタ

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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 109

「それは気をつけた方がいいかもしれないよ。」
和己が言うと
「え〜何で〜?」
という沙耶。
「余震で火災を誘発するかもしれないから。」
「なら今のうちに水汲んでくるね。」
優奈は愛と共に手押しポンプ式の井戸に行きバケツに水を汲んできた。
「報道〜っ、ほ〜ど〜っ!」
いつの間にかテレビ局のカメラマンも到着していた。
「こちらは百合宮邸です。ご覧ください。いったいの住宅のほとんどが倒壊しております。そしてあちらの方、十数件ほどでしょうか。大規模な火災が発生しております。そしてこちら、見えますでしょうか。高架橋が途中から波打っております。」

「さてと……」
優花が食品庫へ行き、豚汁の準備が始まった。
「僕たちはこれで我慢しようか。」
和己が乾パンを取り出す。
「え〜何それ〜?」
沙耶が訊くと、
「乾パン……でしょ?……お腹に入ると……水分で……膨らむから……」
と愛が言う。
「食糧不足で体がきつくなる前にってわけね。」
優奈が納得したように言う。
ズズズズズ!
「きゃ〜来た〜!」
余震に驚き思わず香奈に抱きつく永子。
「やっぱり……消しておこう……」
愛は焚き火を消す。
「そうね。夜も明けてきたみたいだし。」
美雪が東の空を見上げながら言った。
一方九条院邸では
「災害用ディーゼル発電機の用意完了しました!」
「ご家族全員のご無事確認済みです!」
「これより自家発電に切り替えます。」
執事たちが駆け回り必死になって災害の対応に当たっていた。
「優花ちゃん達は大丈夫かしら……」
九条院邸内の被害状況を見ながら絵美は呟いた。そこへ
「百合宮邸が臨時救護所となったようです。」
と報告が入った。
「そう。でみんなは無事なの?」
「はい。優花様をはじめ、全員御怪我はないようです。」
「そう……良かったわ。」
絵美は胸を撫で下ろした。
「お嬢様、失礼します。」
竹箒やコードレスの電池式掃除機を持った執事たちが散らばったガラス片などを片付けていた。
「あ、ありがと。」
「いえ。お嬢様、奥様方は大広間にいらっしゃいます。」
「そう……。とりあえずメイド達と一緒に大広間にいるわね。貴方達も大体片付いたらいらっしゃい。」
「お言葉とお気持ちだけいただきます。」
「そ、そうよね……。この状況じゃ仕方ないわね。」
「あ、お嬢様!」
「ご無事で何よりです!」
メイドたちが絵美に駆け寄る。
「ありがと。あなたたちも怪我はない?」
「はい!お嬢様、もったいないお言葉です。」
「良かったわ。」
そう言って笑顔を見せた絵美であったが、外を見て表情が曇った。
「酷い状況ね……これからどうなるのかしら……」
“ピーポーピーポー”
九条院邸の前を救急車が通り抜けていった。

『こちらは赤十字病院です。現在患者であふれ……』
『国際空港では乗員の確保さえ困難な状況で……』
『政府は先ほど災害対策本部を……』
『現在死亡が確認された方は……』
ラジオからは次々と被害を伝える報道が行われている。
「これからどうなるのかしら……」
普段強気な風花も、不安を隠せずにいた。と、そこへ
「申し訳ありません……こちらで炊き出しが行われていると聞いて……」
「朝から水一杯さえ口にしていなくて……」
百合宮邸で炊き出しが行われている話を聞いた被災者たちが集まってきた。

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