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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜
官能リレー小説 - ショタ

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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 111

「あ〜なんか来たよ〜。」
永子が空を指さす。
「え?」
優奈が空を見上げると、ヘリが降下し、
“バルルルル……”
そのヘリは百合宮邸屋上のヘリポートに着陸した。
「あのヘリは?」
美雪が訊くと香奈が
「あぁ、来たわね。私が呼んだのよ。」
と応える。百合宮財閥のプライベートヘリで物資を運んできたのである。
「失礼します。」
乗組員が下りて来てヘリから段ボールが降ろされる。
「何を運んできたんですか?」
和己が訊くと
「衛生用品の類ね。」
と香奈が言った。
「こちらが乳幼児用紙おむつ。そちらの箱は簡易式トイレと凝固剤。その隣は全身清拭ぬれタオル。そして……」
内容物の説明がされていく。
「ご苦労様。」
「では失礼いたします。」
香奈が労いの言葉を掛けると乗組員達はすぐヘリに乗り込み、ヘリは飛び立っていった。
「慌ただしいですね……」
和己が呟くと
「3、4機しか出せないって言ってたし、暫くはピストン輸送してもらわなきゃかしらね。」
香奈がヘリを見送りながら言った。


次第に警察、消防、自衛隊などの救助活動も始まった。
「頑張ってくださいね!今助けますからね!」
一階部分の車庫が潰れ、下敷きになっている人にスコップを持った自衛隊員が呼びかける。一方
「スプレッダー用意して!」
油圧式スプレッダーで事故車のドアをこじ開け、人を救助するレスキュー隊員も見られた。
「こいつをクレーンで持ち上げ、こっちから車に引っ掛けて引っ張れば助けられるんじゃないか?」
「車に引っ掛けるロープあるか?」
「あ、俺が取ってくる。」
「うちの工場にクレーントラックが来てるから使ってくれ。」
災害時には住民たちの協力が大きな力となる。
「このマンションの住人、所在不明の方はいらっしゃいますか?」
「こっちの棟は全員避難してます。」
「火災が近づいてるぞ。早く逃げんと火に巻かれるぞ!」
近所の人同士が声を掛け合い、減災に努める。

さて、百合宮邸では
「そろそろお昼のおにぎり配り始めましょうか。」
と香奈が言う。
「ええ。でしたら……」
美雪がマイクを取る。しかし、
「あ〜永子やってみたい〜。」
と永子がねだる。
「ふふ。良いわよ。」
「そうだね。永子みたいに無邪気で笑顔な女の子の声も、皆を元気にしてくれるかも。」
和己も同調する。
「皆さ〜ん、これから〜お昼のおにぎりを〜配り始めま〜す。あちらの〜机に〜2列で〜並んでくださ〜い。十分な数を〜作りましたから〜押したり〜割り込んだりしないでくださいね〜。」
永子の声に避難者たちが癒された。また、昼食の列も混乱は起きなかった。
『ポーンポーンポーン ピロリローン ピロリローン 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。ピロリローン ピロリローン 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。』
「わ、また来るぞ!」
和己がそう言い身構えた時
“ズズズズズ!”
強烈な余震が襲う。
「愛!危ないっ!」
優花が愛を庇おうとするが
「上っ!上見てっ!」
和己が叫ぶ。
崩れかけていた建物の破片が優花の上に落ちて来たのだ。
「お、お姉ちゃんっ!」


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