PiPi's World 投稿小説

ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜
官能リレー小説 - ショタ

の最初へ
 106
 108
の最後へ

ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 108

「じゃあ私たちが炊き出しするね。」
優奈が言うと
「私も手伝う〜。」
と言う沙耶。
「裏の……手押しポンプ式の……井戸から……水を汲んで……いったん沸かせば……」
愛は未だ声が小さいが、頭をフル回転させている。
「じゃ〜豚汁とかを作ろ〜。」
永子の提案で、百合宮邸は、臨時救護所兼炊き出しの場となった。
“ウゥウゥ〜ッ”
百合宮邸の前を緑色のレスキュー車が通り過ぎていく。
「あれは?」
永子が言うと和己が
「あ、あれは警察の機動救助隊のレスキュー車だよ。」
と応えた。
「僕は近所を回ってくるね。」
和己は懐中電灯と工具箱を持って百合宮邸から出て行く。
「和己君、どこへ行くの?」
優花が訊く。
「生き埋めになっている人とかがいたらと思って。僕にもできることがあるんじゃないかなって。」
「じゃあ私も行くわ。」
「うん。ありがとう。」
和己が優花と共に隣の家に行くと子どもが閉じ込められているという。折り重なった材木を見て優花は、どうすれば安全に助けられるか計算する。
「和己君、この木をこの辺から切って。」
「うん。」
優花の指示で和己が材木を切り、生き埋めになっている少女を見つけた。
「居た!」
和己はその小柄な体を生かし、ロープを使ってがれきの間に体をすべり込ませる。
「もう大丈夫だからね。優花さん、ロープを引っ張って。」
和己は少女を抱きかかえ、ロープに掴まる。
「ママぁ〜!!」
「良かった……あリがとうございました。」
「いえ。助けられてよかったです。」
和己と優花は一人でも多く助けようと、近所の家々を回り、所在不明の人が居ないかを聞いて回った。と、そこへ
“ウゥ〜ッ……”
近所の火災に消防車が一台だけ到着し、消火活動を始めた。
「まさに焼け石に水ね……」
優花は呟くが
「それが消防士なんだね……。家族のことより職務を優先するなんて……」
“バリバリバリ……”
上空を見上げると報道ヘリが飛んでいた。

その頃百合宮邸では、大部屋が整理され、多くの人を収容できるように準備がなされていた。また、庭にはテントが建てられ、5基のディーゼル発電機も倉庫から出された。
「夜が明けるまでの辛抱ね。」
香奈がつぶやく。
「そうですね。お姉さま。朝になればソーラー発電機も使えますから。」
美雪が応える。
「それまでは〜これで我慢しよ〜。」
4姉妹がいつしか焚き火を炊いていた。

SNSでこの小説を紹介

ショタの他のリレー小説

こちらから小説を探す