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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜
官能リレー小説 - ショタ

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ショタなペット【第四部】〜和己のその後〜 107

その日の夜、
「和己君、旅行で疲れてると思うけど、今日は私と一緒に寝てほしいわ。」
入浴を終え寛いでいる和己に風花が言う。
「分かりました。」
和己は素直にそう応え、風花の部屋に向かった。
「今日は疲れてるでしょ?だから服は着たままで良いわ。」
風花はそう言い、和己と共に横になった。
「抱きつくわよ。」
風花は和己の頭を自分の豊満な胸に抱き寄せた。
「はぁん……和己君……。今日はこのままお休みなさい……」
風花がそう言うと和己は黙って頷き、そのまま眠りについた。
「ふふ……可愛い……」
風花も和己の可愛い寝顔に満足し、眠りにつこうとした。その時である。
ドンッ!
下から突き上げるような衝撃が走った。
「なっ何?」
風花は狼狽し、
「うわっ!」
和己も跳ね起きた。
ズズン、ズズズ!
「じ、地震?」
風花は咄嗟に和己の頭を布団で庇う。
グラグラグラッ
激しい横揺れも加わり、暫くしてやっと揺れが収まる。転倒防止器具のお陰で家具などが倒れてくることはなかった。
「……はぁ……あ、優奈達は?」
慌てて和己はスリッパを履き、娘達の部屋へ向かう。
「皆大丈夫か?」
「優奈……お姉ちゃんの……お陰で……」
愛は優奈に抱き付き応える。優奈はそんな愛を庇うようにしながら、
「何とか大丈夫。」
と言う。
「怪我してないよ〜。」
「永子も〜大丈夫〜。」
「良かった。」
四人の娘達は無傷だった。
「貴方達怪我はない?」
優花がやって来た。
「取り敢えず大丈夫みたい。優花さんも大丈夫だった?」
「ええ、大丈夫よ。それにママとお義母様も怪我してないわ。」
家族全員の無事は確認できたが、事態は深刻だった。二階の窓から外を見ると、救急病院や大型ホテル等自家発電に切り替えた場所以外は真っ暗で、各所から火の手も上がっていた。
「酷いな……」
和己は呟いた。又、周囲の家々も多くが倒壊しているが、百合宮邸は耐震構造だったため被害を免れ、無事だった。
「まずリビングに集まってこれからの対策を練ろう。」
和己が言うと、百合宮家の九人はリビングに集まった。百合宮邸の非常電力でリビングの電気とラジオをつけ、まずは情報収集に当たった。
『……震源の深さはごく浅く、地震の規模を示すマグニチュードは8,3と推定されます。この地震による津波の心配はありません。続いて高速道路の情報です。この地震によりこの地方の高速道路は全面通行止めになっております。停電のため市営地下鉄、新幹線及びJRを含む私鉄各線も運転を見合わせております。』
「う〜ん……」
香奈が腕組みして唸る。
「広域避難場所って小学校よね?避難する?」
香奈が言うが、
「下手に動かない方が良いかも。」
と言う優花。その言葉に美雪も頷く。
「もう少し様子を見ようか。」
和己はそう言い、ニュースに目を戻す。
『高速道路交通警察隊に因りますとこれまでに二人の死亡が確認されました。また、不要不急の電話はお控えください。』
近くの工事現場にあったバックホウが百合宮邸前を過ぎていった。それを見た香奈が
「あれって生き埋めになった人を助けに行くのね。こういうときは助け合いよね。美雪ちゃん、ここを救護所にしない?」
と提案する。
「そうですね。みんなも良いでしょ?」
美雪が応えると
「消防や警察、自衛隊ばかりに頼れないからね。」
と風花が言い、和己は
「トリアージ(傷病者の重症度・緊急性選別)で緊急性がないって判断された人は治療が後回しになるでしょ?そういう人をここで受け入れよう。」
と提案する。
“ウゥ〜 ウゥ〜ッ”
百合宮邸の前を消防車が過ぎていく。
そのサイレンは、悪路を走る消防車の喘ぎ声にも聞こえた。

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