ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 977
「そんなこと無いですよ。私はここで働かせて貰えるだけで幸せですもの…」
ああ桜ちゃんはいろいろと苦労してきたんだったよな…
「まあこの先、そういう気持ちになる時もきっとあるんじゃないかな?…」
「そうでしょうか?…」
「そんな時はいつでも相談に乗るよ…何たって野郎の友達だけはいっぱいいるからね…」
「まあ、その必要があるかはわかりませんけど…そのときは匠さんに相談しますね」
桜ちゃんはニコリと微笑んだ。
樹と香はお昼寝。
桜ちゃんが寝かしつける。手馴れた感じだ。
「僕より上手いんじゃない?」
「そんなことはありませんよ」
「なんだか僕も眠たくなってきちゃったな…」
考えてみると、夕べはかなり遅くまで弥生さんと飲んでいたからな。
僕もフローリングの床に寝転び、手足を伸ばしてノビをする。
「クスッ、見えてますよオヘソ…」
「あんまり見られたくないもの見せちゃったなぁ…」
慌ててシャツを下げる。そんなに丈短かったかな。
「いいんですよ、素の匠さんが見られて嬉しいですから」
「いやぁ、それもちょっとなぁ」
実家のつもりでくつろぐとこうだからな。
まあ僕ってマスオさん状態なんだから仕方ないけど…こんなにいろんな誘惑のある嫁の実家も珍しいよな;…
「それでは香ちゃんと樹ちゃんを連れてお散歩して来ますから、匠さんはゆっくりなさってくださいね。」
あれっ…何だか気を使わせちゃったかな?…
「何だか悪いね;桜ちゃん…」
「クスッ、今日の匠さん謝ってばっかりですよぉ…」