ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 974
いやいや、夕べはあれだけ激しいのをしたんだもの、香澄が謝ることはないよ、全然…
「あの後、どうされました?」
「弥生さんのところで一緒に飲んでたよ」
「そうですか、ホントに申し訳ないです…」
香澄は香をあやしながら僕に頭を下げる。
「これからは気をつけるよ…なるべくこの部屋にちゃんと戻って、このベッドで寝るようにするよ…」
香澄に言いながらも、そう自分に言い聞かせる。
何たってこの家には僕にとっての誘惑がいっぱいだからね;…
「クスッそんなこと宣言しないでぇいいですよ。お互い縛り合うことなく自由に生活するのが一番ですぅてぇ〜」
ホントに香澄は優しい子だ。
自分より僕のことを優先してくれる、この歳で良妻の雰囲気が、もう既にある。
「ありがとう。でも娘たちには父親としてもっと頑張らないとな」
父親の顔を覚えない、なんてことは勘弁したいしね。
「ふぅっ、私もそろそろジムでトレーニングしますかねっ!」
「身体の方はもう大丈夫なの?…」
退院早々にジムっていうのもちょっと心配にはなる…
「平気ぃですよ〜、2人も出したんだから…鍛え治さないと緩んだままだと匠さんに悪いものぉ…」
あっ、それってソコのことですか;…
…だいたいソコの緩みってトレーニングで鍛えられるものなんですかね。
ここにはエキスパートが揃ってますがさすがに…
「匠さんには内緒だったんですがね、私、こう見えてスポーツ何でもできますからね!」
「…それはまた初耳だね…」