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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 965

「匠くんが成人したらちゃんと話さなくちゃいけないとは思ってはいたのよ…だけど匠くんとは離れてしまって、それも叶わなくなってしまった…」

「仕方ないですよそれは…でも今だからこそ、ちゃんとその事実を受け止められたんじゃないかと僕は思うんです。成人したからといって二十歳やそこいらの自分は、まだまだ子供でしたからね…」
弥生さんは僕を見つめながらワインを一口飲んだ。
その瞳はあの頃と変わらず優しかった。

「匠くんも大人になったんだなぁ。それが見られて私、今が一番幸せね」
「僕もです…」

時間はかかったと思う。それでも結論にたどり着けた。
やっと大人になれた気分に酔っている気分だ。

多分弥生さんからしてみたらまだまだ子供に見える部分はかなり多いかもしれないけどね…

「それで美恵子とはその後は?…」
鈴田美恵子さんか…プレゼンの結果が出てからと思っていたけど、もう随分と連絡は来てはいないよな;…

「鈴田の家の人とは仕事上のことがあって、今はまだ会わない方がいいかと思って…」

「結果ってまだ出ないの?」
「わからないです。僕のところまで情報が行き届かないかもしれないですし」
「そうなの…」

あれから、スズタの三枝さんからも何の返事もこないんだよな…
プレゼンからもうひと月くらい経つわけだけど、どうなったんだろう。

まあプレゼンの善し悪しというよりも、あの会社はいろいろと内輪揉めが大変そうだから、今はそれどころじゃ無いのかもしれない…

「気長に待つつもりですよ…美恵子さんや巧の一存で決められることでも無いでしょうから…」
このまま何の音沙汰も無く、スルーされていくことも充分に考えられるんだけどね;…

「あらぁ巧さんって、匠くんの兄弟に当たる人でしょ?…」
「はい、僕とアイツとは一卵生の双子なんですよね…」

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