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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 893

皆と解散してから暫くの間、家族四人、テレビを観ながらのんびりと過ごした。
「そろそろ弥生さんの家に行く?…」
「ええ、丁度いい食後の散歩になりますよね」
確かに弥生さんの住む離れまでは遠くはないが、近くでも無かった。

「退院したばかりなのに大丈夫?…車出して貰おうか?…」
「何言ってんですかぁ、出産は病気じゃないって、昔の女性は散々虐められたそうですよ。」

香澄は僕の言葉を遮り力こぶを作るような仕草をする。
そうだよな、病気とは違うよな。僕はまだ考え方が前時代的なんだろうか。

「2人も一緒に行くんだよ」
香澄が樹を抱き抱え、香を僕に任せる。
やはり母は強し、ということだろうか。

「双子ちゃん用のベビーカーもありますから、外に出たら載せて上げましょうねぇ。」
うんそれは有り難い…
いくら余り飲まないつもりとはいえ、酔った身体にこの子を抱いて帰って来るのは些か不安だもんな…

玄関口に行くと杏さんがベビーカーを用意して待っていてくれた。
流石に杏さん…何もお願いした訳でも無いのに、気が効くよな。

「お嬢様は退院したばかりですし、匠さんもお酒を飲まれますから、私もご一緒しますね」
「ありがとうございます。助かります」
「杏ちゃんも結構飲むんだけどね」
…ああ、それは以前僕も見た。

広大な敷地を歩く。
結構な大移動にも感じるね。

考えてみると、ベビーカーを押すなんて初めてのことだ。
しかも双子専用のベビーカーなんて、今までよく見たことも無かったもんな。

「気を着けて下さいね、枯れ枝が散乱していることがありますので…」
そうか…庭師の伊藤さんが涼香さんと去ってしまってからは、前みたいに手入れもされてはいないのか…

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