ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 873
「この子たちにこんなに早くにいとこが出来るなんて…ビックリしましたぁ…」
ホントにそうだ…
まあ家族が増えることには嬉しいことだけどね…
「梓もまだまだ子供だから、香澄は先輩としていろいろ教えてやってくれよ…」
「私だってまだ子供ですよぉ、梓ちゃんとはしっかり情報交換して、お互いに母親として成長できたらいいなぁと」
香澄は謙遜しながら笑うが、もう十分大人といってもいいんじゃないかなと思うよ。
コンコン
「はい、開いてますよ」
メイドちゃんの誰かがやってきたのかな。
「お嬢様、匠さん、ティータイムのお時間ですのでどうぞ〜」
「ありがとう、茜ちゃん!」
“ありがとう”って香澄…オッパイ出しっぱなしでいいんですかね?…
「あらぁあらぁ、赤ちゃんたちは眠ってしまったんですね」
茜ちゃんも香澄の姿を見ても全然動じ無いんですね;…
まあ授乳時期の女性のオッパイを見てドキドキしてしまうなんて、僕ぐらいのもんなんでしょうかね?…
そういえばこの茜ちゃんは弥生さんの下で働いてるスタッフだったな。
あのエレベーターの中のことを思い出すと…
香澄はようやく服を着なおした。
「可愛らしいお子さんですね」
「私の宝物です」
すでに香澄には母親の風格が漂う。
「匠さんもどうぞ」
「ありがとう」
茜ちゃんが紅茶とケーキを差し出す。
その自然な振る舞いに感謝せずにはいられない…
そういうことにはかなり寛大な香澄だけど、退院してきたばかりの香澄にそんなことは知られたくは無いからね…
ちらっと茜ちゃんの顔を見て、僕は香澄に気づかれないように小さくウインクして見せる。
茜ちゃんはちょっと驚いたような表情を浮かべたけど、次にはその頬を小さく上げた…