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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 868

「お夕食の時間になったら呼びますので」
「うん、ありがと」
扉の前で桜ちゃんがそう言い、香澄が頷く。
幼い頃からの親友ではあるけど、しっかりとした主従関係。
お互いにスイッチの切り替えが出来ているんだな。

扉の向こうはリビングとは思えないほど広い空間。
「いい眺めですね」
「ああ…」
こちらは呆気に取られるほかない。

此処だけで間違いなく、6人家族の家よりも広いもんな;…
「香澄どうだろう…ここを僕ら家族の部屋にしないか?」

「えっ?…もちろん此処は私たち4人の部屋ですよぉ」
「いやそうじゃなくて、此処で子供たちも一緒に寝起きを共にしてだな…」

「寝起きって…一つの部屋で、皆で一緒に寝るってことですかぁ?…」

「まあ、そういうことだね」
「ふふっ、まさに家族、って感じですね」

香澄は今までにそういう経験がないんだろう。
お嬢様として育てられたゆえ、なんでも個人のものが与えられたのもそうだが、複雑な親子関係もその理由のはず。

「ところでですね、匠さん」
「なんだ?」
「私、この子たちの名前、考えたんです。樹(いつき)と香(かおり)。
どうでしょうか…」

「ん?,樹と香かぁあ…」
脳細胞を総動員させて今まで関係があった女の子にいなかったかを考える…

「どうです?…柏原家に合った漢字一文字…樹には大樹のように逞しく育って欲しいし、香には咲く花から漂う香りのように、皆を幸せになって貰える女の子になって貰いたいんです…」

「素晴らしいよ香澄!…これ以上の名前は無いよ!」
幸い知った女の子の中に、同じ名前の子はいないしね;…

「ありがとうございます。匠さんにも気に入ってもらえたら、決まりですよね」
「もちろん」
しかも香の方は香澄の名前からも一文字取られているからね。

それにしても、この短期間で香澄は随分と大人の女性の雰囲気が出てきたように見える。
いや、これはむしろ母親の顔かな…

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