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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 860

「何、私は別に結果だけで評価しているわけじゃないよ」
「はあ…」
「その結果に至るまでのプロセスが大事なんだ。匠くんの場合は、それを夏子くんたちがしっかり評価しているはずさ」
和彦さんは椅子に深く腰掛けながら笑顔で言う。

「ありがとうございます。ところで…」
お昼で上がっていい、という理由を尋ねてみる。

「ああ…香澄が退院するんだ。もちろん子供も一緒にね。匠くんは付き添ってやってくれないかな」

あ;そうだったのか;…今日がその日だったなんて、すっかり忘れていたよ;
「もちろんです。暫くはそちらでお世話になるとか…」
お袋たちは香澄と赤ちゃんが帰ってくるのを楽しみにしているけど、やっぱり香澄の身体を考えても、暫くは実家に帰った方がいいってことになったんだよね。

「ああ、私もそれを楽しみにしているんだ、香澄と一緒に生活するのも久しぶりだからな…」
そうか、香澄の妊娠が分かってすぐに香澄は家に来ちゃったから、約10ヶ月ぶりってことになるんだもんな…

「私の秘書が車を出すから、ここで少し待っているのいい」
「ああ…ありがとうございます」
「匠くんも香澄と一緒に家で過ごすといいだろう」
「うーん、いいんですか?」
「香澄もそれを望んでいるはずだよ」

和彦さんに促され椅子に座る。
すぐにコーヒーが運ばれてくる。

「食事は行きすがら、秘書と一緒に取ってくれ…本当は私も一緒にと思っていたのだが、これから上海に飛ばねばならなくなってな…」
「相変わらずお忙しいんですね…空港までご一緒いたしましょうか?…」

「いや…ヘリで向かうんで、ここの屋上からの出発になる…」
ぅあ…このビルの屋上ってヘリポートがあるのかよ;…

「お身体には気をつけてください」
「ははは、これくらいでへばる歳じゃないさ」
和彦さんは豪快に笑い飛ばす。

「匠くんも我が家のフィットネスで鍛えるといい」
「ええ…考えておきます」
こう見えて和彦さんは体格もいい。
学生時代からラグビーをやっていたんだ、と話してくれた。

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