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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 858

夏子さんの視線はどことなく「察してくれ」と言うような感じがした。
新庄も気の毒だな。

「そろそろ始業の時間ね」
「行きましょうか」
コーヒーカップを返却口に返して、3人でうちの部署の部屋に戻る。

「そうだ…匠くん、今日はお昼で上がっていいよ」
「えっ?どうしてです?」
「いいお知らせがあるみたい。お昼になったら匠くんを社長室にって言われたの」

和彦さんかぁ
花咲夢乃のことで大騒ぎになっているっていうに、今会社に来て大丈夫なんだろうかね?…

「いい知らせって、スズタとのことですかぁ?」
美月ちゃんの声が色めき立つ…

「それはまだ言えないはよ…正式にはゆかりから聞いてちょうだい…」
夏子さんは僕に向かい、満面の笑みを浮かべた。

…ああ、そういうこと、お昼まで待たないといけないな。
夏子さんと美月ちゃんと一緒に部署に戻ると、美玲ちゃんと葉月ちゃんも出社しており、沙織ちゃんはいつものようにパソコンの前に座って何かの分析中。

ようやくいつもの環境に戻った。
僕も自分のデスクに座り仕事に勤しむ。

「そういえば社長の奥さん、声明発表したみたいね…」
えっ?涼香さんが…?
そういえば夕べも今朝も、テレビはおろかネットニュースも見てはいなかった。

「で、何だって?…」
当然和彦さんと花咲夢乃に関してのことだよな…

美月ちゃんが言う。

「私と彼とはもう終わった関係なので、とやかく言うつもりはない。彼の新しい恋が本当のことなら、素直に応援したい、ってさ」
「終わった…?」
「離婚、ってわけじゃなかったはずですよね?」
美玲ちゃんが話に加わる。

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