PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 819
 821
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 821

僕はパンツ一張でその中に潜り込む…
当然美玲ちゃんみたいに、男物のパジャマなんてある訳ないもんね…

「暖かいですねぇ匠さんの身体…」
身体を寄せてくる葉月に、なんだかドキドキしてしまう:…

「それゃあそうだよ…風呂から出てきたばっかだからね…」
本当はそれだけじゃないんだけど:…

「お風呂のせいだけじゃないと思いますよ。匠さんの優しい、人柄がそうさせているんですよ」
抱き枕のように僕の身体に手を伸ばしてくる葉月ちゃん。
彼女もまた、下着一枚だけで寝ていると気付く。

「親元を離れて、一人暮らしで、ホームシックになりかけたときもありました…」

「分かるよ…僕も東京で一人暮らしを始めた時は、かなり寂しかったからね…」
こんなことを話すのは初めてだ…
あの時は、弥生さんに振られたショックもまだ癒えてはいなかったからな…
まあそれも、今となっては懐かしい想い出になれたけどね…

「東京には大学で?…」
「ああ、18の時の話しさ…」

「大学に合格したときは本当に嬉しかった。最初は模試の判定でEランクが出てたところだったし」
「努力されたんですね」
「あんなに頑張ったのは今思えばなかなかないね」

「寂しいと思ったのは、いつ頃なんですか?」
「何度かあったね…東京に行く前、そのとき付き合ってた彼女と別れなきゃいけなくなったり」
「どうしてです?」
「彼女が海外に留学するって、ね」

あの言葉は僕にとっては寝耳に水だった…
もし弥生さんがそんなことを言い出さなかったら、僕は弥生さんと別れたくなくて、こっちの大学を選んでいただろうからな…

「そうなんですか…私だったら自分の為に愛する人と別れるなんて…そんなこと出来ません…」
「うん…まあ彼女も自分の為ってことでも無かったんだけどね…」

僕の為に身を引いた…
今の僕なら、あの時の弥生さんの気持ちは‥痛い程分かるんだな…

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す