ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 822
「葉月ちゃんは、大学までは実家暮らし?」
「はい。就職して初めて一人暮らしで」
「最初は大変だったでしょ」
「そうですね…なんでも自分ひとりでやらなきゃいけないって…」
キュッと腕をつかむ葉月ちゃん、その力がだんだんと落ちてきた。
不思議に思ってみると、可愛らしく寝息を立てていた。
きっと疲れたんだろうな…
身体はもちろんのこと、すごい緊張していたもんね…
僕は腕を頭の後ろに潜らせ、腕枕をしてあげる。
おやすみ…
僕は起こさないように唇だけを動かし、そっとキスを落とした…
………
「うーん…よく寝たなぁ…」
窓から朝日が差し込み、スズメの鳴き声も聞こえてくる。
もう朝か。早いなぁ。
「うぅ…匠、さん…?」
「やあ葉月ちゃん、おはよう」
隣で同じように目覚める葉月ちゃん。
彼女が先に起きて朝ご飯を、ってのは期待し過ぎだったようだ。
まあ男女平等の世の中、そんなこと言ってると、お茶くみを強要するオヤジと変わらいかな?;…
「寒くなかったですかぁ…?」
小猫みたいに身体を擦り寄せてくる葉月ちゃん…
あっ;そんなくっつかれると…今はマズイ状態なんだけど;…
豊かな、柔らかい感触が、僕の背中に…
それだけで股間がまた硬くなる…
「匠さんの背中は、大きくてあったかいですね」
「そ、そう、かな…」
あんまりくっつかれると困るな…
「さ、起きなきゃ…」
「そうですねっ」