ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 9
…ウッホォホイ〜♪
僕の人生も捨てたもんじゃないじゃないかぁ〜
目を閉じる香澄ちゃんを、僕は飛び上がる気持ちで見つめ、鼻の下を伸ばしながら両肩に手を宛てがう。
…ん?
香澄ちゃんは、唇を噛み締め、生まれたばかりの小動物のようにプルプルと震えていた。
……心の中に、今まで味わったことの無いような優しい風が流れた。
僕は唇を軽く立てると、香澄ちゃんのおデコにChu!と、それを落した。
香澄ちゃんが瞼を開く。
「ん、むぅ」
…僕の不意打ち?にちょっと不機嫌そうな顔をする。
それでも僕は余裕だ。
「緊張しなくていいよ」
「…うん」
僕は香澄ちゃんの肩をそっと抱き寄せる。
「行くよ」
「…はい」
お互いに顔を見合わせて、どちらからともなく近づけあって、唇を重ねた。
香澄ちゃんの唇は思った以上に柔らかだった。
緊張するなと言っておきながら、僕の方こそ緊張していた。
考えてみると、こうして女の子とキスをするのも久しぶりだった。
……いつぶりだ?
大学時代こそは頻繁に合コンに参加し、それこそ毎回のようにお持ち帰りしていたが、
工場で働くようになってからはとんと御無沙汰で、1年以上前に上司と行ったソープ嬢としたキスが、最後のように思われた。
香澄ちゃんが僕の胸板に手を置く。
お世辞にも鍛えているとは言い難い、貧相な体だ。
「匠さん、ドキドキしてる」
「そりゃそうだよ…女の子とキスするなんて、久しぶりだと思う」
「えー、そうなんですか?」
「そうだよ…しかも、それもお店のお姉ちゃんだからさ」
「え〜、匠さんってプレイボーイな感じがするのに」
…いったいどこをどうやって見たらそう見えるのですか。
でも、素でそう言ってくれる香澄ちゃんに、僕は悪い気はしなかった。
もう一度、香澄ちゃんの乳房に手を伸ばす。
硬くなった乳首を指で摘む。
「っ、あんっ!」
この感触ももちろん初めてだろう。
それで気持ちいいと思ってくれれば僕も嬉しい。
さらに、反対の手を香澄ちゃんの下半身へ…
「あっ、あ…ふぅぁあ」
指でそっと撫でると、香澄ちゃんがさっきより甲高い声を出す。