ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 798
本当ならこっちも交換したいところだけど、そこまで言うのもなんだかなぁと思わせる。
…今日1日くらいいいんじゃね?なんて…
今ここで代えるのも、洗ってないしね。
「先輩も車乗ってください」
「ああ、そうさせてもらうよ」
こうして、新庄の車に乗り出勤となる。
こんなとこ美玲ちゃんが見たらさぞかし驚くだろう…
まあ僕としても、こんなに早く美玲ちゃんの彼氏である新庄と、こんなにも仲良くなるとは思ってもいなかったもんな…
しかも新庄は、僕のお袋とヤッちまうし;…
これ以上お袋と新庄が何かしら無い為にも、美玲ちゃんと新庄は絶対に別れて欲しくは無いよな…
もしそんなことになりでもしたら、お袋と新庄は本当の恋に落ち兼ねないもんな…
お袋がそれだけ思いを寄せる新庄という男。
若い頃の親父に似ていたりするのだろうか。
僕にはよくわからないが…
車の中では特に会話を広げることはなく、会社の駐車場に到着する。
いつもより遅く家を出たのに、着いた時間はそんなに変わらなかった。
「ありがとうございました先輩…なんか凄くいい時間を過ごせました…」
それって…僕とというよりも、お袋との時間ってことかよ;?…
「ああ…僕もまあ楽しかったよ…それよりもいいのかぁ?…美玲ちゃんとのことは…」
何気を装いジャブを打つ…
「ああ美玲ですか…先輩アイツから何か聞いているんですか?…」
「あまりうまく行ってないとか、ちょっとした喧嘩したとか、あまりいい話じゃなかったぞ」
…そういう話を美玲ちゃんから聞いたのは事実だ。
本当はもっと突っ込んだことも聞いたけど、触りだけ。
「そうですか…まさしくそのとおりです」
「可愛い彼女だぞ、泣かせないよう頑張れよ」
「ええ、わかってます…」