ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 797
それじゃあ僕の服を着せてくれたのもお袋って訳なのかな?…
「参りましたよ、目覚めた時には僕の下着は無いし…仕方なく床に落ちてたこのTシャツを借りましたよ…」
へぇ?…新庄の下着…
嫌な予感がして僕は穿いていたスワェトを捲り上げる…
案の定見たことも無い柄もののボクサーパンツ…
お袋;…これを僕に穿かせたのは、意図してやったことなんですかね?;…
それを見てお袋はまた楽しそうな顔するし。
…これはこれで、あまり人に見せられるものじゃない。
朝食を終え、自分の部屋に戻り着替える。
まさか新庄の下着を穿いてたなんて、美玲ちゃんが知ったらどう思うだろう。
これは後で返そう。
箪笥から自分の下着を出して、仕事着に着替える。
今日はどうせ新庄の車で出勤だから、時間に余裕はある。
「すいません先輩…スーツ貸して貰えません?…」
部屋のドアから覗き込むようにして新庄が顔を出してきた。
「なんだ女じゃあるまいし、スーツぐらい二日連ちゃんで着て行ったって誰もとやかく言わないだろ?…」
「それはそうなんですけど…ちょっと染みが出来ちゃって…」
太股の部分にくっきりと出来た黒い模様…これは確かに酷かった…
「いったいいつ出来たシミなんだ?」
「ちょっと僕もわからないんですけど…先輩、お願いしますよ」
「仕方ないな…」
「ちゃんとクリーニングして返しますから」
別に1回ぽっきりでクリーニングしなくてもいいよとは思ったが、本人にとっては背に腹は代えられないくらいなのだろう。
「そっちの汚れたほうはお袋に何とかしてもらおう」
「ありがとうございます!」
安堵した様子でズボンを脱ぐ新庄…
「なんだそれ、僕のパンツじゃないかよ;…」
休みの日にしか穿かない、穿き古したトランクスだから間違いない;
「すいません、僕のパンツが見当たらなかったもんで…」
それゃそうだ;…
新庄のパンツは僕が今まで穿いていたからね;