ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 784
…次に続く言葉がない。
コイツ、爽やかそうに見せていながら、うちの妹全員と寝てるんじゃないか。
「お前、大した奴だな」
「えっ!?お、お兄さんほどでは…」
「その代わり、ケジメがついているならいいけどさ…」
まあ葵とは昔のことだろうし、栞の方から迫ってくることはもう無いと思うけど…
「はい…多分大丈夫ですよ…僕お兄さんみたいに肉食って訳じゃありませんから…」
「おい;…それって誉めては無いよな;」
「いえいえ、男としては羨ましいですよ…モノだってちゃんとしてますしね…」
モノって;…
まあ恭介が他人のモノを気になるのは分からなくも無いけど;…
意外にも洗い物を引き受けてくれた恭介。
手際もなかなか良い感じだし。
「お前、なかなかやるな」
「今は男もこれくらいできないといけないって言われまして」
それは梓からか?それとも…
まあ、普通なら僕もそうでなければならないけどね。
「お兄さんはこういうこと、ぜんぜんしないんですか?」
「ぁ;…まあ…;」
別に“男子厨房に入らず”なんて教育は受けてはいないけど、この家では家事は全てお袋がやってくれるからな…
まあ東京に出ていた時は、掃除や洗濯はしざるおえなかったけど、食べるもんは毎食コンビニで済ませられたからね…
「でもお兄さんには必要ないですよね…奥さんの実家、メイドさんが何人もいるんですよね?…」
梓は啓くん絡みで青山家には何度も行ったことがあるから、恭介にもそれを話して、知ってるわけだな。
「まあ、そうだけど」
「それはそれで羨ましいって思うんですよねぇ」
「そうかい」
…ただ、料理をするのはメイドちゃんたちってわけじゃないんだけどな。
青山家には弥生さんという専属料理人がいるからね。