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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 776

「結婚、するにしても20代のうちはまだ身軽でいたいなって思うんです。仕事でもまだやりきった感じはないし、まだまだ夢見たいし」
「そうなんだ」
美玲ちゃんはキッチンでテキパキと作業しながら笑顔で語る。

「なんというか、結婚したらもう仕事はやめてずっと家にいないといけない、そんな感じを持たれていて嫌なんです」

「そうなの?…今の世の中、共働きは常識になりつつあるぜ…」
「はい、うちの会社にも結婚しても働いている女性は沢山いますもんね…」

「そうだよ、夏子さんなんて子供もいるじゃないか…」
「夏子さんは夏子さんで大変みたいですよ…、旦那さんと家事分担といっても、どうしても女への比重の方が重くなっちゃいますからね…」
まあ、それは仕方のないことだろうなぁ。
最近は家事をする男も増えたと思う。働く女性の代わりにむしろ男が家にいる『主夫』というのもいるという。
しかし、男が出来ることは限られてくると思う。

夏子さんの娘、冬美ちゃんは中学生だから、ひょっとしたら両親を手伝える、あるいは一人で何かこなせるレベルにいるんじゃないかとは思う。

「私はしばらくは今のまま頑張りますよ」
「うん、それでいいと思う」

それを考えると僕は相当恵まれているんだな。
もう一人暮らしをしていた時みたいに、掃除や洗濯なんてしないで済むし、ましては青山家に行ったら、そんなことはメイドがやってくれる訳だしね。

「それでも、そんなことが負担に思わない相手に…巡り会いたいですけどね…」
「そうか…やっぱり新庄じゃ、そうは思えないだね…」

「私のことを気遣ってくれる優しさはあるんです…でもそれだけじゃ…」
「一度向かい合って話し合うことも必要だと思うよ」
「匠さんがそう言うなら、頑張ってみます」
美玲ちゃんは笑顔で言う。

「ちょうどできましたので、召し上がってください」
「ありがとう、美味しそうだね」

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