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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 742

「ふふっ」
栞は僕の心中を察したのか、ニッと笑顔を作る。
「匠兄ぃが思うほど、私は落ち込んでないし、病んでもないよ。これくらいで凹んでたら、この先生きていけないもん」
「そうか?」
「そうだよ!」

「しばらく恋愛はお休みするよ」
栞はそう言ってリビングに戻る。

強がっているのは僕にでも分かった。
栞には恭介以上のいい男を捕まえて欲しいよな…

「いろいろあるけど、出来るだけ私がフォローするからさ…」
おっ葵、いつの間に側に来てたんだよ…?

「あ、そうしてくれよ…元々はお前が連れてきた男が原因なんだからな…」

「わかってる…恭介くんだって学校の先生になる男だよ、そう簡単に梓と切れるようなことはないよ」
「本当に?」
「うん…それは一番私が知ってる。だから、ちょっと悔しい気持ちもあるけど…」
葵の表情は、さっきの栞とよく似ていた。

まさか葵の気持ちもまだ吹っ切れてはいないのか?…

まあ葵にしてみたら、栞だったから身を引いたようなもんだったのかもしれない…
それがまだ高校生の梓に持っていかれたんじゃ、心中はさぞかし複雑だろう…

「アイツが悪い奴じゃないってのは分かったよ…そうじゃなきゃ、また泊めたりすることは許さないからな…」

「ふふ、匠兄ぃはお父さんより厳しいなぁ」
葵はそう言って笑う。
別に僕はアイツと一緒に酒を飲み交わしたわけじゃないからな。
今後もそうしようとも思わないし…強がってるのかなぁ。

「梓が決めたことだから、梓の気持ちを尊重するよ」
「そうだね」

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