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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 732

巧の言葉も冷たい。そして重い。
自分の娘がまだ高校生で妊娠し、しかも双子…宗次郎がそれを知ったらどんなに怒るだろうか。

「巧…あなたは言葉に棘がありすぎるのよ」
「でも…」
「私は、匠に会えて幸せだわ…いつか穏やかに過ごせる日が来たらいつでも孫の顔を見に行けるはず…」

僕に対しては穏やかな母の顔になる美恵子さん。
それには少し不思議な感覚を持った。

「それじゃあ申し訳ないのだけど…この後仕事で…せっかくなのにごめんなさい」
「それは残念だ…昼飯でも一緒にと思っていたんだが…」

和彦さんの言う通り、僕ももっと話していたかった…
「それは今度、私がセッティングするは…匠も是非いらっしゃってね…」
「はい、それはもちろん…」

「巧くんはまだいいんだろ?…」
「あ、はい…」
その返事を聞けて、僕はなんだか安心した。

和彦さんは柔らかな笑みを浮かべる。

「この屋敷にはな、巧くんに会いたいと思ってる人間がたくさんいるんだ」
「そ、そうですか?」
「ああ、だから、みんな匠くん…紛らわしかったかな、隣の彼の顔を見て驚くんだ」
…巧が僕の顔を見る。
改めて見られると恥ずかしいぞ。

「まあやっと巡り合えた兄弟だからな…話したいことも山とあるだろうから…昼飯までは2人でいるといい…」
和彦さんは気を効かせてくれて、美恵子さんを見送りに部屋を出て行った。

巧と2人になると、やっぱり照れ臭い…
何から話せばいいのかなんて、分からなくなってしまう…

「やっと肩の荷が降りた感じだよ」
「…そんな前から僕のことを知っていたのか?」
「ああ、このお屋敷にいる人…巧のことを知っている人にな」
巧はそれに首を傾げた。

「名前を聞いたらわかるだろ…メイドの木原エリカちゃん、セラピストの梅津彩乃さんと桜庭澪さん。あ、それと、唐沢瞳さん…この近くの病院に勤めてる…」

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