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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 727

やっぱり…
沸き上がる感情は“安堵”と“喜び”だった…

「それって、匠の父親の?…」
巧に“匠”と呼び捨てられる…まあいいけど…

「ああ…柏原先生本人も、匠くんは私の子供だと、今だ思って疑ってないことなんだが…」
和彦さんの表情は、どこか寂しそうだった…

「なんだか、申し訳ないです…」
「いや、気にすることはないさ。本当のことがわかって僕らもホッとしているんだから」
和彦さんは寂しそうな笑顔のまま、言う。

「私がいけないんです…あの時先生と…まさか妊娠してしかも双子だなんて…」
美恵子さんが俯いて言う。

そう…双子じゃなかったら、僕は柏原の家に引き取られることも無かったのかもしれない…

「しかし驚いたよ…美恵子さんが柏原先生とも関係を持っていたとは…」
和彦さんにしてみたらそう思うのも当然かもしれないよな…

だけどそれを言うなら和彦さんだって、同時期に美恵子さんとお袋と関係を持っていたことに代わりは無いんだけどな…

「私、柏原先生のことが好きでしたから…あの日も、徹夜で仕事していた先生のところに、無理に押しかけてしまって」
「親父はそれが嬉しかったと言ってました」
「今だからいい思い出と言えるんでしょうかね」
美恵子さんは困ったように言いながら微笑んだ。

「しかし、匠くん…自由で元気で健やかで、とてもよい育ち方をしてらっしゃってきたのね…自分の子育てが間違っていたと思ってならないわね…」

巧のことを言っているんだな…
ちらっと巧の顔を伺う…その表情は穏やかなものだった…

「母さん、あのことはもう気にしないで下さい…これも自分の個性だと割り切っていますから…」
窘めるように巧が言う…

“あのこと…”って、アソコのことなんだろうと、僕には直ぐに分かった…

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