PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 723
 725
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 725

「すまんな突然に呼び出して…」
笑顔を浮かべる和彦さんの向かい側に座った女性が、ゆっくりと振り向く…

この人が鈴田美恵子…
ネットで見るよりもずっと小柄で、弱々しい感じすらした…

「いえ社長、調度鈴田巧さんもいらしていたんですよ…」
ゆかりさんは鈴田美恵子に笑顔を向けながら言った。

僕の後ろからのそっと姿を現す鈴田巧を見て、和彦さんは一度目を見開いて驚いたような顔をしたが
「…本当によく似ているな」
「ええ、ビックリしました」
杏さんも言う。

鈴田美恵子さんは無言で僕らを見ている。
いつだったか見た卒業アルバムの印象はない。
眼鏡をかけていないし、髪も短くなっていた。

多分苦労したんだろう…
落ち着いたその佇まいは同じ歳のお袋よりずっと年上に見える…
それでもお袋とはまた違って、とても綺麗な人だ…

「はじめまして…柏原匠です…」
僕は自分から声を掛け、深々と頭を垂れた…

「こちらこそ。大変な思いをされてきたでしょう…」
美恵子さんは柔らかな笑みを浮かべ、僕に会釈する。
物腰の柔らかな大人の雰囲気。さすが大企業の主だけある…

しかしその言葉は美恵子さんにこそかけたかった言葉だ。
僕らを巡る一連の出来事は、美恵子さんが起点となったはずだからだ…

「まあ立ち話しも何だし、座ってくれよ…」
和彦さんが僕らをエスコートしてくれる。

「それじゃあ私は失礼しますね…」
遠慮したのだろう…ゆかりさんが頭を下げる。

「おっそうか…よかったら別の部屋で茶でも飲んで行ってくれ…」

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す