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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 72

「お母様は本当にお優しい方なんです。捨てられた身の私に、お嬢様と同じようにお洋服や学習道具、お嬢様と一緒に遊ぶおもちゃまで、すべて買い揃えてくださったんです」
桜ちゃんは微笑んで昔のことを語る。
「桜ちゃんは、青山家の人たちに助けられてきたんだね」
「はい。こんな私に、何でもしてくれて、ここまで育ててくださったんです。ですから、私も、一生を懸けて、お嬢様に仕える所存でいるんです…」

「一生って…それじゃ桜ちゃんの幸せはどうなるんだ?」
僕は燻し気に顔を覗き込む。
「私にとって、奥様とお嬢様の側にいられる事が幸せなんです。」
「それじゃあこの先、結婚とかは考えないでいいのか?」
「はい。今回匠さんに抱いてもらったことで、分かったんです…」
「…分かったって、何を分かったって言うのさ?」

桜ちゃんは僕の目を見て、はっきりと言った。
「私…やっぱり男の人より…女の人が好きなんだって分かったんです。」

「そ、そうなんだ…」
それを聞いて、複雑な気持ちになる。

「あ、あっ!?あの、すいませんっ!!別に匠さんがお嫌いとか、不満があるとかそういうことを言ったわけではっ…ああああぅぇえええ」
慌てて僕をフォローしようとしたのはいいが、どうにもいかずオロオロした挙句半ベソ気味になる桜ちゃん。
「無理しなくていいよ」
僕は桜ちゃんの頭を優しく撫でる。
「ご、ごめんなさい、匠さん…」

「気にすることないって…それゃ、男として僕は桜ちゃんにそう思わしたちまった事を、省しなくちゃいけないだろうけどさ…、それでも女の感じる場所を的確に分かっている女性には敵わないのかもしれないと思うさ…」


「そっ、そうですけど、私の中では匠さんが一番大好きな男の人ですから…」
「うんうん、ありがとう」
瞳に涙を浮かべて謝る桜ちゃんを、僕は優しくその頭を撫でる。

「うっ、ううう…」
そのとき、ベッドで伸びていた香澄ちゃんが、ゆっくりと身体を起こした。

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