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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 71

なんてこと言い出すんですか貴女は…!
でも、香澄ちゃんと桜ちゃんは幼い頃からずっと一緒で、女同士だけどその、恋愛感情みたいなのがあったんだろうか…

「また『お嬢様』に戻っちゃってるね」
「あ、まあ…今は仕える身分ですし」
「桜ちゃんにとって、香澄ちゃんは、大切な存在だよね」
「はい。私の一番の友達であり、命の恩人であり、一番守りたい存在…これから一生をかけて、お嬢様の傍にい続けること、それが私の願いです」
優しい笑みに、真剣な言葉。
桜ちゃんの心意気は、僕にも十分通じた。

「もちろん、お嬢様の未来の旦那様、匠さんにもですよ?」

…あ、そうだったよね…
僕は香澄ちゃんの婚約者として、今ここにいて、ご家族に挨拶しなければいけないのだと、今さらに思い出す。

「旦那様だなんて言わないで下さいよ、もしそんなことになったとしても、桜ちゃんとは対当な立場でいようよ」
「匠さん…ありがとうございます。お嬢様は本当に匠さんのような優しいお方と巡り会えて、よかったです!」

桜ちゃんの心遣いには心底感動してしまう。
青山家で働くほかのメイドさんも、桜ちゃんのように忠実でしっかり者で心遣い溢れる娘達なんだろうなと想像する。

「ところで、香澄ちゃんのお父様ってどんな人なの?」
「世界最大手のシェアを誇るメーカーの社長さんです…私も、お父様のお仕事にはあまり詳しくないので…」
「そうか」
「あ、でも、すごくダンディなイケメンさんですよ♪」

言われてみたら、青山家の当主が表紙になった経済誌を、前に電車の中吊りで見た覚えがある。
同郷ということもあってか、僕はそれをよく覚えていた。
ストレートヘアーを風に靡かせ、白い歯で微笑んでいたお父さんは、香澄ちゃん程の年齢の娘がいるとは思えないくらいに、若く、桜ちゃんの言う通り、確かにイケメンだった。

「香澄ちゃんのお母様はどんな人なんだろう」
「お父様と結婚される前はモデルをやってたそうですよ。なんでも、ミス・ユニバースの日本代表にも選ばれたことがあるとかって」
「へえー…すごい美人さんなんだね!」
「ええ、それはもう」

そんなすごい人ならテレビに出てきてもおかしくないはずだけど…お父様と違って顔が思い浮かばない。
「結婚してからは一切の活動をやめてしまわれましたからね…お父様も家庭のことに専念して欲しいと言われたそうですし」
桜ちゃんの言葉を聞くと、納得できることかもしれなかった。

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