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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 700

「匠らしくない、なんでも遠慮なく話せよ。ちょっとやそっとのことじゃ俺は驚かないさ」
…ちょっとやそっとじゃ、大事なんですけどね。

「いや、僕のことじゃなくて…」
「梓のことだろう?」
「ああ…」
そこまで知ってたんだな。

「実はな、梓は…花木恭介とお付き合いしていて、彼の子供が今、お腹にいるって、今日聞いたんだ…」
「そうだったか…」

それならそうと先に言ってくれよ;…なんて思ってしまうけど、ちゃんと話せた梓に感心してしまう。

「梓…本気なんだな…」
「ああ、そのようだ…」
「親父は反対しないのか?…」
「まあ諸手を上げて賛成とは言えないが、頭ごなしに反対とも言えんな…」
「それってどっちなんだよ?…」
「まだ梓の話ししか聞いていないからな…今晩にでも花木恭介に来てもらおうと思っているんだ…」

まあ、一度話を聞かないと先には進めないよな。
きっと梓から説明を受けているお袋だって同じ気持ちだろう。
でも、一番は梓が幸せになることが大切だ。だから頭ごなしに否定してはいけない。

「しかしこんな急に来てくれるかな」
「近所だから…俺が向こうに行ってもいいさ」

「だけどそれはちょっと違うよ…向こうが頭を下げるのが筋だからね…」

「おっ、匠も随分と大人になったもんだ…」
親父は笑いながら僕の肩を掴む。

「いつまでも子供扱いしないでくれよ…僕だって子の親になったんだぜぇ…」

「ああ…そうだったな…」
親父はしみじみそう言い、目を細める。
「でも昨日の今日だな…まだまだだ」
「それはなぁ…」

「まあ匠は一仕事終えたんだ、ゆっくり休んでいればいいさ。週が明けたら仕事だもんな」

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