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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 699

流石親父だ…昔っから観察眼が鋭いところがあるもんな…

「そ、そうなの?…だったら葵とか栞とか言う前に、花木恭介は梓と上手くいってくれればいいんじゃないか?…」
僕はここぞとばかりにプシュする…

「でも梓には啓くんがいるじゃないか…啓くんとは毎日一緒に飯を喰ったり風呂に入っているから、今では実の息子のように思えてくるんだ…」

親父のその言葉。
やっぱり僕はこの人の息子なんだなと、少し安心感すら抱いてしまった。
僕だって啓くんに対しては弟のような…それこそ親父と似たような気持ちになる。

「それは、僕も同じ気持ちだけどさ…」
「だろう、ここで梓と…何かがあったら、啓くんが心配なんだ…」

「親父ぃ…」
思わず声が震えてしまう…

「ぅおい;、どうしたって言うんだよ?、匠…?」
親父の驚いた声にエコーが掛かって風呂場に響いた…

「あ、いや…この先、梓と啓くんの間に何かあったとしても、僕たちと啓くんの仲は…きっと変わらないんじゃないかな…」
願いを込めて僕は言った…
僕にとって啓くんの存在は、もう妹の彼氏という枠を大きく超えているのだと改めて思わされる…

「そうだよな…」
もう僕の中に、梓が花木恭介の子供を孕んだと親父に報告する気が失われていっているような感じがした。
やっぱり、僕は梓よりも啓くんのほうについてしまうのか…ごめん、妹たちよ…

「でも、一番は梓の幸せだけどな」
親父は言う。
…それはもっともな話だ。

「で、何なんだ話しは?…」
「うぇ?!…」
突然の親父の問い掛けに声を裏返してしまう。

「何か話しがあって、風呂場まで追いかけて来たんだろ?…」
「あっ;…まあ…」
流石に親父だ…
僕の行動なんて、はなっからお見通しって訳だったんだな;…

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