ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 686
「んくっ、んっ、うぅっ…」
佐織ちゃんは瞳をぎゅうっと閉じながら、僕が放出する精液を零さないように最後の一滴まで受け止める。
我ながら、普段考えられないような大量の…それも佐織ちゃんが間違えて入れてしまったという精力剤のせいだろうか、勢いはしばらく止まらなかった。
ごめんよ…
佐織ちゃん自身のミスもあっただろうが、僕だって望まないのに、一生懸命に受け止めてくれた佐織ちゃんの頭を優しく撫でた。
まあ何も飲まなくても;…と思わなくもないが、最後の一滴まで気持ちよくしてあげようとする、それがこの子の健気なところなんだろう…
「ありがとうな…」
僕は佐織ちゃんの顎を上げ、その潤んだ唇を親指の腹でグッと拭ってあげる…
「いえ…私も、すごく、良かったです…」
佐織ちゃんはニッコリと微笑んでいた。
「本当にごめんなさい、こんなことになってしまって」
「いや…そんなことはないさ。すごく良かったんだから…」
…まあ、病室でヤルのはこれが最初で最後にしたいけどね…
佐織ちゃんは下着をつけ服を着直す。
僕もしばらくしてベッドから起きるのを許され、香澄のいる部屋に向かった。
廊下で佐織ちゃんと別れることになる。
「また機会があれば…今度はもっと時間のある時にしような…」
「私なんかで…いいんですか?…」
「もちろんだよ。薬の力を借りない、本当に僕を見て欲しいからね…」
本当はそんな自信は無いんだけどね;
佐織ちゃんは笑顔でお辞儀して仕事に戻っていく。
…だいぶ時間使ったけど、怒られないといいな…
香澄の病室に戻る。
中からは物音はしないようだが…ドアを開ける。
「純ちゃん、まだいたんだ」
「皆さんお帰りになりましたよ…香澄ちゃんはまだスヤスヤ眠っております」
ベッドの端にちょこんと座る純ちゃん。
香澄は…気持ちよさそうに眠っている。可愛い寝顔だ。