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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 665

「はい。何とか無事に終わったみたいで…」
2人の顔を見て、今までの緊張感がフッと弛んだ…

「あらどうしたの?…真っ青な顔してぇー」
近寄って来るお袋の顔が歪んで見えた。

僕はクラクラとする目眩を感じ、その場に崩れ落ちてしまった‥


…………………
どれくらいの間記憶が抜け落ちていただろう。
目が覚めると僕は真っ白な部屋に横になっているではないか。

「匠くん、大丈夫?」
「あっ、弥生さん…」
隣で弥生さんが椅子に座りながら僕を見つめていた。
「香澄ちゃんが無事赤ちゃんを産んで、楽になったら一気に…って感じかな?」
「ええ、まあ…」
「仕方ないよね、余計に気を使っちゃうよね…操は『このくらいで倒れるなんて、父親になったばかりじゃない!』なんて言ってたけど」

「あ;はい…血を見て貧血起こすなんて…我ながら情けないです…」
「ふふ仕方ないよ…女は毎月それには慣れているけど、男はそうもいかないものね…」
「あ、はあ…」
弥生さんが生理のことを言っているのだと分かり、僕は顔を赤らめてしまう…

「看護士さんに聞いたんだけど、珍しいことじゃないみたいよ…、中には衝撃が大き過ぎてデキなくなる人もいるらしいは…」
確かに;…僕も自信はないんですけど;…

「香澄は…」
「至って元気だよ。かなりハードな出産だったはずなのにけろっとしてるって、お医者さんもびっくりしてるくらい」
…香澄らしいといえばらしいのかな。
それこそ生まれたばかりだけどまさしく『母は強し』って言葉そのまんまだよな…

「まったく情け無い父親で…」
「ふふっ、でも羨ましいよ、匠くんと香澄ちゃんは」

「あっ;はい…」
確かに僕の知っている弥生さんの前の旦那は極度のマザコンだったし、海外で結ばれた椿ちゃんのお父さんになった人は、弥生さんを残して逝っちゃたんだもんな…

そう考えると僕と香澄みたいなごく普通なカップルであっても、弥生さんが羨ましく感じるのも分からないでも無い…

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