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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 612

これから行こうと思っていたところにやってくるのだからビックリだ。
まあ、手間は省けたかもしれないけど。

「知っていたのか?」
「杏ちゃんや桜ちゃんから話は聞きました。それに」
「それに?」
「その人とのお見合いが嫌で家出したんですよ、私」

「ああ…それは聞いたよ…で、その時写真とかは見なかったの?…」
「ええ、お見合い写真は渡されたけど、見ずに家を飛び出してしまったから…」

あの時の香澄は、和彦さんが本当の自分の父親では無いと分かったり、和彦さんには僕という息子がいることを知ったりで、お見合い相手の写真を見るどころでは無かったんだろうな…

「それでそのお見合い写真、まだこの家にあるのか?…」

「私はよくわからないです…お父様のお部屋にあるのかもしれない…うーん、どうなんでしょう」
香澄が腕組んで考え込んでしまう。
君でも知らないのか、いったいどうなっているんだ。

「その彼を知ってる人間がここには数人いるんだけど、香澄は知ってる…?」

「はい、今度新しく入ったメイドさん…鈴田の家に縁のある子だと聞きました。」
エリカちゃんのことか…
「ああ、僕にそっくりなその男を兄のように慕っていたそうだ…」

「その子、お母様の紹介なんですよね?…お母様は知っていたのかしら?…鈴田の家の跡取りと匠さんがそっくりだということを…」

涼香さんは鈴田美恵子さんと個人的に交流を持っていたようだが、そこまで知っていたのだろうか。
涼香さんがいない今、それを知る術はほとんどない。

「彼女の部屋に行ってみましょうか」
「邪魔にならなければいいけど…あと、もし鍵がかかってたら?」
「匠さん、私を誰だと思ってます?」

香澄はポケットからマスターキーを取り出す。

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