ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 602
「ええ…まあ…」
「そうか、君も飲んだか…アレは本当に効果てきめんでね…」
和彦さんは苦笑いしながら言う。
「和彦さんも?」
「ああ…特製ドリンクと言いながらもアレはきっと精力剤だよ。早めに彩乃のところに行くといい…」
和彦さんは僕の頂点に出来た、五百円硬貨ほどの染みを見ながら笑った。
「あっ;でも…」
僕は慌てて足を組んでソコを隠す…
「私に遠慮はいらないさ…何なら彩乃でなくとも、誰か別の子を呼ぶか?」
和彦さんは今まで見たことも無いような、満面な笑顔を浮かべた。
「いえ、今は…別に我慢すれば自然に収まるはずですし…」
「いや、それがそうもいかなくてね」
「えっ?」
「効果もさることながら、持続性も強いものでね…私も彩乃とするまでまったく衰えなかったんだ」
「マジですか…」
がっくりテーブルに突っ伏す僕。
「男の悲しい性だな」
和彦さんは笑ってそう言った。
同類合い哀れむ;…
和彦さんはそう言いながらも、僕のこの状況を完全に楽しんでいるようだ;…
まあ女ばかりのこの家で、こんな状態になるのは男である僕だけなんだから、仕方ないと言えば仕方ないけど;…
「さぁ!早くしないと爆発しちゃうぞぉ!」
和彦さん;…僕のモノを時限爆弾みたいに言わないで下さいよ;…
…とはいえ、今この場所で誰を呼ぶのか。誰か来てくれるのか。
ここは和彦さんの専用ラウンジだろう。
「目の前では勘弁願うよ…トイレにでも行くかい?」
「や、我慢できないというわけでは…」
状態がこうなっているというだけで、すぐに暴発、ということにはならないようだ。わけがわからない。
「私のことは気にしなくていい。早めに済ませることをお勧めするよ」
「は、はあ…」
そう言われてしまってはここを後にするほかない…しかしどこに行けばいいんだ、しかもこんな状態で。