ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 601
「先代の手前、私が直接スズタコーポレーションに行く訳にはいかないだろうから、どこかで一席儲けようと思う…」
「はあ…美恵子さんをお誘いしてですね…」
「ああ、それにその席に匠くんにそっくりの……?」
「鈴田巧ですか?…」
「おお、その鈴田巧とやらを同席させようじゃないか…」
「マジですか?」
「ああ、その方がより真実に近づけるだろう。それに私も、どれだけそっくりなのか見たい気持ちもあるからな…」
…人間誰しも興味には勝てないということですか。
「日取りが決まったらまた連絡しよう」
「ありがとうございます」
「いいんだ…それより、休日くらい仕事やそのことは忘れようじゃないか…」
「は、はい!」
何だか強い味方を得られたようで、安心するよね。
「それはそうと…さっきから気になっていたんだが…」
和彦さんは言い難そうに僕から視線を反らしながら言う…
「はい?…何か?」
和彦さんが何を言おうとしてるのか、僕にはさっぱり分からなかった…
「匠くんその…相当溜まってんのか?…」
「へ?」
和彦さんの前で、変な声が上がってしまった。
失礼とは思ったけど、ホントになんでそう言われたのか意味がわからなかった…最初は。
視線を落とす。
「う、うわぁあああああ!?」
ズボンの下で必要以上に主張する僕のソレ。
「す、すみませぇえええん!!!」
「いや、いいんだ…男の性だ…それもしょうがないだろう。私に会う前、何をしていたのか…」
まあエリアちゃんとは出来無かったにしても、昨晩は彩乃さんと澪さんと充分に楽しんだのだ…
中学生のガキでもあるまいし、自分の意志とは関係無く、こんな恥ずかしい姿を晒すなど自分の身体が信じられなかった;…
「あっ;いえ、スポーツで汗を流した後、彩乃さんに特製のドリンクを戴いたぐらいで…」
エリアちゃんとH寸前までヤッていたことは、言わないほうが賢明だよね;…
「彩乃特製のドリンク?……ははは!匠くん君は、あれを飲んだのかね?…」