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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 600

さっきとうって変わって和彦さんは豪快に笑い飛ばす。
何か吹っ切れたものがあるのだろう。
そんな顔を見て思わずホッと胸を撫で下ろす。

「美恵子さんから何か話は聞いたんですか?」
「彼女からは何も…向こうにも後ろめたいものがあったのかなぁ」

「美恵子さんが妊娠していたことも知らなかったんですか?…」

「ぅおい?!…彼女が妊娠?…」
やっぱり知らなかったのか…

「はい…美恵子さんは高校を卒業して直ぐに、親父の紹介した田舎で出産したそうです…」
「おいおい…柏原先生の紹介で田舎で出産したのは、操さんじゃなかったのかよ?…」

その話は和彦さんですら知らなかったというのか。

「いや、僕も詳しくは…それにまだ事実かどうかも…」
「そ、そうか…私もその後についてはあまり話を聞いてなくてね…」

和彦さんはうーんと唸って考え込んだ。
「我々だけでは手に負えなくなってきているようだね…」
「はい…」
「柏原先生や操さんにも聞いてみるしかないかな…」

僕の出産ですら、和彦さんは親父とお袋との間に出来た子供と思っていたのだから、美恵子さんのことに気を掛けていなかったのも当然か?…
まあその当時和彦さんは高校生だった訳だし、増してはお袋との初体験を迎えたばかりだったんだから、そこまで考えていなかったとはいえ、責めることは出来ないよな…

やっぱりこのことを全てを知っているのは、美恵子さんとお袋…それに親父なんだろうな…

和彦さんはカップのコーヒーを一口飲んだ。
「…今はこのことは忘れよう。せっかくの休日だからね」
「ええ」
「匠くんもいずれスズタへ行くのだろう、そのときには私も協力するよ」
「和彦さんが、ですか…」

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