ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 593
ちょうど喉はカラカラだった。
「何か冷たいものと一緒に戴いていいかな?…」
「もちろんですよぉ!私特製の栄養ドリンクもお出ししますね!」
腰を振り、奥の部屋に取りに行く彩乃さん。
その後ろ姿を微笑ましく眺めた。
彩乃さんの姿が見えなくなるのがわかると、僕は休憩所のソファーに腰を落とす。
「ふぅ…」
やっぱり身体は鈍っていたな。
高校で部活はやめ、大学生活は遊びに費やし、就職後は仕事に追われ…
余暇でスポーツを楽しむなんてのは自分とは無縁のことだと思っていたよ。
ここに住むことになれば、メリハリも効くのかな。
彩乃さんみたいな美人のインストラクターもいることだしね…
エリカちゃんには腰が引けてしまったものの、どこか彩乃さんや澪さんは違う気がしてしまう…
それはエリカちゃんがメイドちゃんってことよりかは、どこかあの2人とのセックスは、スポーツのプレーのように思えるからだ…
きっと彩乃さんも澪さんも僕と同じように、その時を充分に楽しもうと思っているのかもしれないよな…
「あ、お待たせしましたぁ」
彩乃さんが戻ってきて、ドリンクの注がれたグラスを僕に渡す。
「ありがとう。これ、彩乃さんが自分でレシピとか考えたの?」
「はい。栄養満点ですよぉ」
ホント、綺麗な人でこういうことにも明るいって、彩乃さんはすごいな。
ごくごくと喉仏を上下しながら一気に飲む…
何たって身体が水分を欲していたからね。
「そんな一気飲みして、苦くありませんでしたか?…」
「ううん、身体に効きそうって感じで、力が漲ってくるぜぇ!~」
「クスゥ…いくらなんでもそんな即効性はありませんよぉ〜」