ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 585
エリカちゃんはそれを拒むことなく、僕の思いに応えるように唇を重ねてきた。
同時に、エリカちゃんが背中を抱き締める力を強める。
豊かな胸が僕の胸板で押し潰される。
「匠さん…好きになってもいいですか?」
潤んだ瞳でエリカちゃんが言った。
ドキっとするほど可愛いじゃないか;…
この状況でこの誘い断れる男なんて…いないよねぇ?;
「そんなこと聞くなよ…」
僕は答えの代わりにエリカちゃんの尻を引き寄せ、股間を密着させる…
「嬉しぃ…」
エリカちゃんは僕の耳元で小さく呟き、耳朶を甘く噛んできた…
もう、その気ってことでいいんだよね…
「エリカちゃん」
「はい…」
「一度、プールから出ようか」
「えっ…あっ、はい…」
一瞬驚いたような顔をするエリカちゃんだったけど、何かを察すると頬を赤らめて頷いた。
ここでヤルにはあまりにも開放的過ぎると僕は思った。
それに誰かが入ってこないとも限らない…香澄の実家で変な噂が立ったら、僕はもとよりエリカちゃんが可哀想だもんな…
「部屋に戻るか…」
2っきりになれる場所なんて、僕には思いつかなかった。
「いえ、ここにはプライベート用なトレーニングルームがあるそうですから、誰にも見られないと思います…」
意外に積極なエリカちゃんに、僕は手を引かれた。
プライベートなトレーニングルームってどんなところなのだろう。
思えば、彩乃さんや澪さんとはそれこそ個室で防音もしっかりした場所で行為に及んでいたのを思い出す。
広大な青山家のことだ、何だってアリなのだろう。
ロッカールームに戻る。
再び陰に隠れてウェアを着るが、プールに行く前よりも緊張感は高まっていた。