ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 572
確かに僕にそっくりなんだけど、この時の僕はとても美少年とは言えなかった…
やっぱり育つ環境で、醸し出すオーラみたいなもんが変わるってことなんだろうか;…
「あらぁ今からだって遅くはありませんよぉ★」
「おいおい;…僕は結婚するんだぜ…」
「でもぉ今は…まだ独身の身じゃないどすかぁ〜」
「それも時間の問題だよ」
「まあ、そうですけどぉ」
「それに、仕えるはずのお嬢様の婚約者にそんなんじゃ、エリカちゃん…」
…こう言っておきながら、自分も言える筋合いないんだけれども。
「まあ、これからよろしくお願いしますー」
「はい、こちらこそ」
コンコン
…すると、ドアをノックする音が。
「はぁ〜いぃぃ!」
ドアに駆け寄るエリカちゃん…
うぉい!ちょっと待ってちょっと待って…
僕がピンクのバスローブを腰に巻いただけの姿を忘れてはいませんか?…
ここで庭に面した外に逃げ出すしてもいいけど、,
それじゃあ振り出しに戻るたってことだよね?…
…それより、ここにやってきたのは誰か。
蘭ちゃんが帰ってきたわけではあるまい。時間的に早すぎる。
「あの…エリカ?」
「あ、杏さん!おはようございますぅ〜」
…おい、よりによって
「今、エリカの部屋に、匠さん、いたりする…?」
「はい?どうしてです?」
「私の部屋に、匠さんの服が置かれていて…いったい何が…」
…杏さん、マジだったんですね…
エリカちゃんは、“開けていい?…”と口パクで聞いてきた。
もうこうなったら事情を説明して、杏さんに納得してもらうしかないよね;…
まあ、僕もそうだけど、酔って記憶を無くすってことぐらいは、杏さん本人も分かっているだろうからね…
僕はエリカちゃんに向かい指でワッカを作り、OKのサインを送った。