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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 564

巧を知っている皆から、そっくりだそっくりだと聞かされては来たけれど、これ程までに似ていたとは思いもし無かった…
似ているからと言っても、せいぜいテレビで観るそっくりタレントぐらいのもんだろうと、甘く見ていたのだ。

「エリカちゃんってここに来る前は何をしていたか知ってる?!」
僕は思わず蘭ちゃんの腕を握り締めて聞いていた…

「ああ、えっと…もともとは別の方のお屋敷で働いていたって言ってましたね…そこをクビになって、ここに来たみたいな…」
…それが鈴田家なのだろうか?
クビって、エリカちゃんの身に何があったんだろう。

「エリカはたぶん、辛い過去を背負っていると思います…両親も亡くしたとか言ってましたし」
「そうなのか…」

「それにしても…どうしてそんなエリカの事が気になるんですか?…」
首を傾ける蘭ちゃん…

それゃあいきなり、エリカちゃんの素姓まで聞くなんて、蘭ちゃんが不信がるのも当然だよね;…

「ごめんごめん蘭ちゃん…実はこの写真のエリカちゃんの隣の奴、もしかして知り合いの若い頃かと思ってさ…」
ほんとは知り合いじゃないんだけど、話すと長くなるからな…

「あぁこの人ですか」
そう言って蘭ちゃんは写真の男と僕とを見比べる。

「この人、匠さんにそっくりですねぇ」
「そうなんだ、ちょっと気になってね」
「匠さんは、エリカとは昔からお付き合いが?」
「いや、まったく」

その言葉に、蘭ちゃんは不思議そうに首をかしげる。

「それじゃあ、匠さんの弟さん?…」
まあ蘭ちゃんは、高校時代の巧の姿を見ているんだから、弟と思ってしまうのも無理ないよね。

「いや、僕に男兄弟はいないんだ…、それにこの写真、エリカちゃんを見るに随分前に撮られたもんだよ…」

「ほんとだぁ、ってことはこの人…今、匠さんと同じぐらいの年齢ですよね?…」

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