ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 512
「あ、はい…もちろん。」
「そうかぁ、それならここに呼ぶかぁ。」
「うぇ?!ここにですかぁ!?;」
「何焦ってんだ、彼女にマッサージして貰うんだよ。そうか香澄があんな身体だから匠くんも溜まっているんだなぁ?…」
和彦さん;そんなに僕のを見詰めないでくださいよ;…
「あ、いえ;自分でそれなりに処理してますから;…」
「何、無理しなくていいよ、男だからしょうがないこともあるさ」
和彦さんは湯船から立ち上がり、出て行こうとする。
「どちらへ?」
「私は別のマッサージ師のところに行くから、匠くんは彼女と楽しむといい」
…もう1人おられたのですか。
「部屋は用意しておいたからね」
“ね”って和彦さん;…
いつの間にそんな部屋用意してたんですかぁ;?…
楽しむって言っても、スポーツマッサージなんですよね?…
そう聞く間もなく、和彦さんはさっさと浴室を出て行ってしまった…
それでも一人残された僕は、やっぱり期待に胸踊らせてしまう;
和彦さんが出てしばらくした後、僕も浴室を出て着替えた。
部屋を出たそのとき
「柏原匠さん、ですよね?」
「え?あ、はいっ」
長い黒髪、柔らかい笑みを浮かべる女性。
「初めまして。青山家の専属トレーナーをしている梅津彩乃です」
「あ、こちらこそ、どうも…」
驚いた…
昼に見たスポーティーな格好からは想像できない、可愛らしい人じゃないか…
「すいませんこんな時間に無理言って…」
僕は顎をしゃくりながら頭を下げる。
「いいえ気にしないで下さい。これも私の仕事ですからぁ」
彩乃さんは嫌な顔をせずに、変わらずの微笑みを浮かべていた。
「和彦さんが強引に言っただけですから、僕はマッサージをしてもらわなくてもいいんですけど…」
「そんなことを言ったらご主人様が悲しみますは…さあ、リラクゼーションルームに移動しましょ!