ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 495
「あ、はい…」
そんなことを言われると、これからがすごく不安になりますよ…
お人好しだって言われるから余計にね…
弥生さんの指示に従って僕と杏さんは食材を選んで入れていく。
わからないことはすべてプロである弥生さんに聞いて、作業を進めていくのだ。
車まで食材を運び終えると、杏さんはトイレに行き、弥生さんと2人になった。
「匠くん…どうして鈴田美恵子を?…」
後ろの席から弥生さんが呟くように言った…
「…弥生さんに聞きに来たのは、そのことなんです…」
「そう…」
弥生さんはふっとため息をついて、話し始める。
「彼女…鈴田さんは、高校3年間同じクラスだったわ。あぁ、操もね」
「どんな人だったんでしょう」
「口数も少なくて、私もあまり仲良く話したことはなかったかな…でも、勉強はすごくよく出来た子だった。青山くんとともに、学年のトップクラスだったね」
「和彦さんは、彼女とは?…」
和彦さんの名前が出て、突先に聞いてしまう…
「そうね…私たちよりかは交流はあったと思うは…図書室にいる2人を見掛けることもあったもの…」
思い出すように弥生さんは言う。
「特別に親しいってことは?…」
「匠くん…何が聞きたいのか分からないけど…それは統べて過去のことよ…」
「ええ…わかってます。だからこそ重要なんですよ」
「どういうこと?」
「鈴田美恵子には、僕にそっくりな息子がいるって話なんです…」
「!?」
弥生さんが瞳を見開いて驚きの表情を見せた。
「確かに、そうだった…でも、青山くんは操と…」