PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 494
 496
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 496

「はい、僕もそう聞きました…和彦さんの初体験時にお袋は僕を身篭ったって…」
「それならそうよ…私は操の側にいたんですもの…」

「それなら…弥生さんはお袋のデカくなったお腹を見ているんですよね?…」
「あ、それは…」
「もしかして…見ていない?…」

「妊娠が分かって暫くして、操は柏原先生の知り合いの田舎に行っちゃって…そこで貴方を産んだんですもの…」

「そうでしたか…」
「ごめんね…その頃のことは私もよく知らないんだ」

その期間、お袋と弥生さんは一緒にはいなかった…
それでは、お袋のお腹にいたのが、僕と…あるいは…

「お袋が連れてた子供は1人…僕だけでした?」
「うん…確かね…でも、そのときの赤ん坊と付き合うとか夢にも思わなかったよね」
「ええ…」

そりゃあそうだよね、僕だって子供の時から近くにいた弥生さんと、そんな関係になるなんて思ってもいなかったもんね。

「でも後悔はしていないの…それどころか匠くんと付き合えて、本当によかったと思っているの…」
あの頃の弥生さんは、旦那さんと上手くいっていなくて大変だったんだもんな…

「僕も同じです…始めて付合った人が弥生さんでよかったです…」

弥生さんと付き合ったことが、今になって、物凄く生きていると思うのだ。

「なんか、2人になると、思い出しちゃうね」
「そうですね」
お互い、視線を合わせる。一緒になって笑う。

「匠くん」
「?」
弥生さんの顔が近づくと、その瞬間、唇に柔らかい感触が。

…弥生さんとの、何年ぶりかわからない、キスだった。

それでもそれはハグの延長先みたいなもので、不思議とその先の感情は湧いては来なかった…

「大人になったのね匠くん…」
唇を離し、弥生さんはしみじみと言う…

「そんなこと無いです…弥生さんを前にすると、僕はあの頃の自分に戻ってしまいます…」

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す