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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 466

「ああ、今日は1人で営業活動だからね」
それは確かに本当のことだった。
電話営業で断られ続け、やっとの思いでアポまで漕ぎ着くことができた会社だった。

「ああ聞きましたよ。スズタコーポレーションだなんて凄いって、皆で言ってたんですよぉ。」

「うん。ダメ元と思って、頑張ってくるよ。」

スズタコーポレーション…ゆかりさんや夏子さんでもなかなかアポが取れない会社だ、と聞いた。
それだけで緊張感が増す。

席を立ちトイレに向かう。
髪型は大丈夫、ネクタイも曲がっていない。

「頑張ってくださいね」
葉月ちゃんが笑顔で声をかけてくれた。

今まで一人で行く営業先は、大してファッションに興味など無い担当者が、面白半分に話しを聞いてくれるのが関の山だった…

それに比べスズタコーポレーションはファッションを扱う中では誰もが知った大手…
この先契約にまで持っていければ、ゆかりさんや夏子さんは元より、会社中で一目置かれる違いないのだ…

…スズタコーポレーションの本社は市の中心部の高層ビルにある。

「初めて来たな…」
ランドマークとして有名で、テレビでも取り上げられる高層タワー。
中に入るのは、もちろん初めてだった。

感じたことのない緊張感に打ちのめされそうになるが、気持ちをグッと引き締め、気合を入れていざ出陣。
目指すのはビルの13階…本社オフィス。

流石に海外ブランドも取り合うファッション企業だけのことはあって、行き交う人は皆お洒落だった…
今更ながらにして、伊藤さんに貰ったブランド物のスーツに感謝せずにはいられなかった…

「あの…青山コーポレーションの柏原です…10時に企画開発部の三枝様とお約束で…」
モデルのような受付嬢に向かい、僕は精一杯に作り笑顔を浮かべた…

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