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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 41

「それに、スマホだって桜ちゃんにお願いして、ナイショで持てたんだ…」
…桜ちゃんって誰よ?

「桜ちゃんもはじめはバレたらクビになるからって、嫌がっていたんだけど…
無理言って、お願いしちゃいましたぁ…」
…だから~
「桜ちゃんって…どなた様?」

「あっ。言ってませんでしたっけ?
桜ちゃんは私づきのメイドちゃんですよぉ~!」

…あー、やっぱそうなんだ。
これだけのお嬢様だから、メイドさんもいて当然なんだろうと思ったが。

「…その桜ちゃんは、香澄ちゃんの家出も手伝ったの?」
「ええ、まあ…」
「…まさか、ホントにクビになっちゃったんじゃ」
「いえ、それはないです。ついさっきも、メールでやり取りしていたんで…」

「へぇ〜随分、仲がいいんだね。」
「桜ちゃんとは歳も近いんで、いろいろと教えてもらってぇるんでぇすぅ〜」
「いい子なんだね。」
「はぁいぃ!」
香澄ちゃんの表情がぱっと明るくなった。
…友達なんていないと言ってはいたけど、香澄ちゃんにとってそのメイドさんは、唯一の友達みたいな存在なんじゃないのかな?…

僕にはある考えが浮かんだ。
「香澄ちゃん、今日は家に泊まりなよ」
「いいんですか!?ありがとうございますー」
「で、明日、その桜ちゃんって娘に会おうか」
「はい、メールしますね♪」
桜ちゃんの名前を出すと香澄ちゃんの顔がぱあっと明るくなる。
二人がお互いにいい関係というのがこちらからもわかる。

香澄ちゃんと啓くんを取り囲んだ晩飯の食卓には、お袋自慢の料理の品々が並べられた。
昼食同様にそれらを次々に口に運ぶ香澄ちゃんを、皆が暖かく見守る…
…ホント旨そうに食うよな…
つられて僕の食欲までそそられるよな〜

「そういえば‥啓くんってあのお屋敷に住んでんだろ?」
…何なんだよ親父いきなりに…
…ん?、お屋敷って啓くんもお金持ちだったの?

「住んでると言っても父親が庭師なんで、庭園の片隅の小屋に住ませて頂いているだけなんです」
…ああ、そういうことね。啓くんの親父さんは庭師なのか〜
…それにしても、今時住み込みの庭師がいる家って、どんなもんよ?

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