ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 394
年上…27,8歳…
って、僕ドンピシャで当てはまるじゃないですか!?
…冬美ちゃんがいつの間にか隣に座って、身体をもたれさせてくる。
「匠さんみたいな年上の人、タイプです…」
…これは…
夏子さんは、わかって2人きりにしたのか?いや、まさか…
「匠さんの身体…引き締まってカッコイイでぇす〜」
会社に入ってからのここ数ヶ月、僕は筋トレやジョギングを日課にしていた。
「そ、そう?…ちょっと最近、鍛えてんだよね…」
誰も気付いてはくれなかった身体の変化を、冬美ちゃんに褒められて嬉しかった。
「ですよぉねぇ〜腹筋割れてません?」
腹に手を宛がってくる冬美ちゃん…こんなことさせていいんでしょうか;?
「ね、ねぇ、冬美ちゃん…こんなことして、お母さんに怒られないかな?」
いくらなんでも心配になってきた。
「ふふ、ご心配なく…お母さんは、私に早く彼氏を紹介しろってうるさくて…」
…夏子さん…むしろ恋愛推奨だと!?
でも…これ以上はちょっと…
「ごめんね冬美ちゃん…僕には、心に決めた、大切な人がいるんだ…」
「はい、お母さんに聞きましたよ。奥さんおめでたなんですうよね♪〜おめでとうございます〜」
「あ、どうもぉ;…」
なんだ知っていたのかよ;…
それじゃこのスキンシップは、僕の単なる思い過ごしなのか?
「あ、でもまだ結婚はしていないから、『奥さん』って訳でも無いんだけどね…」
「やだぁ匠さん…そんなこと言って、私を安心させようと思ってません?…」
そういうことまで考えているとは…真面目に見えて小悪魔だな、冬美ちゃん…
「別にそんなことはないさ…」
「そうですか?」
その無邪気な表情がまた…
「冬美ちゃんとこうしていると、夏子さんやお父さんがどう思うか気になっちゃうんだよ…」