ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 392
幼稚園児、いっても小学校低学年くらいだと思っていた。
しかし、目の前の冬美ちゃん、という夏子さんの娘さんは香澄ちゃんや啓くんともさほど変わらないくらいの背格好だった。
「ああ…その人が…」
…夏子さん、僕のこと、話していたのですか?
「初めまして」
…酔って全裸の怪しい男にもこの笑顔、さすが夏子さんの娘だ…
「あ;…申し訳ありません、こんな格好で;…」
年上相手とは言え、やっぱり敬語になっちゃうよね;
「気にしないでいいですよ、匠さんのことは母から聞いていましたから…」
いくら話しを聞いていたからって、まさか酔うと脱ぎ癖があるとは知らないでしょうに;…
「あ、匠くん…沙織ちゃんが造った新作のパンツがあるから穿いてる?…」
「は、はい!…」
いくら際どいパンツでも、穿いていないよりマシだもんね…
夏子さんからパンツを受け取り、それを広げてみる。
…うん、やっぱり薄い、面積小さい。
それでもないよりはマシだ。
「旦那が帰ってくるまで、それで我慢してね」
夏子さんはそう言って部屋を出る…
…って、この状況で冬美ちゃんと2人きりですか!?
まあ彼女だって年頃の女の子だし、男の裸なんて恥ずかしいよね?…
てかうぉい!?…
なんなんだその爛々と輝く眼はぁ?!
冬美ちゃんは恥ずかしがって目を避けるどころか、興味津々といった様子で、僕がこのパンツを掃くのを今は遅しと待っているようだった;…
…そんな瞳で見つめられても困る。
かといって、このまま年頃の女の子を目の前に全裸で過ごすのもまた問題だ。
はいはい、今はきますから…
パンツを穿きながら、冬美ちゃんに話しかけてみる。
「冬美ちゃんは、今いくつ?」
「中3です」
へえ…思った以上に大人びているなぁ…